AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣
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AI分析でわかった 仕事ができる人がやっている小さな習慣
出版社
出版日
2025年10月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたが「もっと時間を減らせたらいいのに……」と思う業務は何だろうか。おそらく、会議、資料作成あたりが上位にくるはずだ。「1日中会議やミーティングで、自分の仕事が進まない」「経営会議に出す資料、どうせ読まれないだろうけどちゃんと作らないとな……」。そんなぼやきが聞こえてきそうだ。

ビジネスパーソン17万人への調査によると、最も時間を取っているのは「会議」。なんと仕事時間の45%が会議に使われているそうだ。次点は資料作成で14%、その次にメール(9%)と続く。

もちろんそれらは“必要”であるからこそ存在するわけだが、形骸化しているものや、ダラダラと時間ばかりを食っているものも存在する。「仕事の効率化」という観点から言えば“なくてもいいもの”も多いのではないだろうか。

本書では、「トップ5%社員」シリーズの越川慎司さんが、会社の「名もなきムダ仕事」を徹底的に洗い出し、それらをいかに減らすかをデータとともに提示する。一例を挙げると、気合を入れて作ったカラフルで文字ぎっちりのパワーポイントは、実は相手の読みづらさを誘発している可能性がある。相手の立場から言えば、文字も色数も少なめでちょうどよいのである。

本書では、資料作成、メール、会議・打合わせ、社内DXに分けて、それぞれの効率化を提案する。既視感のある事例ばかりで胸が痛むが、これらを実践すれば、かなり負担を減らせそうだ。ビジネスパーソンなら読んでおいて損はない一冊である。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

越川慎司(こしかわ しんじ)
日本電電話株式会社(現NTT)、ITベンチャーの起業などを経て、2005年にマイクロソフトに入社。業務執行役員としてPowerPointやExcelなどの事業責任者などを歴任。2017年に業務改善コンサルティング会社「株式会社クロスリバー」を起業。のべ800社以上、17万人を超えるビジネスパーソンの効率アップを支援。
日常業務にひそむ「名もなきムダ仕事」の撲滅に注力する。「株式会社クロスリバー」では、メンバー全員が週休3日・週30時間労働を継続。著書に『AI分析でわかったトップ5%社員の時間術』『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『世界の一流は「休日」に何をしているのか 年収が上がる週末の過ごし方』(クロスメディア・パブリッシング)ほか多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    人に読んでもらえるパワーポイント資料の鉄則は「1画面の文字数は105文字以内」「画面に使う色は3色以内」「対角線を意識する」である。
  • 要点
    2
    メールのCCに入れる範囲をルール化すると、忖度によるムダなCCメールを削減できる。
  • 要点
    3
    雑談ばかりで時間通りに進まない会議は、「時間を45分に設定」「ファシリテーターを置く」の2つで解決できる。
  • 要点
    4
    社内のDXに反対する人を巻き込むには「1週間だけ使ってみませんか?」と「お試し」を提示して、まず使ってもらうことだ。

要約

ムダばかりの「忖度資料」

「読んでもらえるパワポ資料」の鉄則

カラフルで、文字やグラフでいっぱいの資料。そんな凝りまくりのパワーポイントを作っていたら要注意だ。あなたの作る資料は、かけた時間の割に、効果を生んでいない可能性が高い。

著者はパワーポイント資料5万ファイルを分析したところ、「1画面に入っている文字数」の平均は380文字だった。一方、社内のエース級社員が作る資料は105文字と、全体平均と比較して大幅に少なかった。

「メラビアンの法則」によると、人は情報の55%を視覚から得ている。つまり、多色で文字がぎっしり詰まっている資料は、それだけで見る人の目を疲れさせている可能性がある。「相手の目を疲れさせないこと」を意識するなら、資料に使う色は「原色以外で3色以内」が原則だ。また、仕事ができる人の約4割は、2色に抑えているというデータもある。

また、人の視線は左上から右下の対角線上に移動するため、左上にキャッチーな内容を持ってくるとよいだろう。

1画面の文字数は105文字以内、画面に使う色は3色以内、対角線を意識する。この3点が、読んでもらえるパワーポイント資料の鉄則だ。

「差し戻し沼」を回避するには?
FreshSplash/gettyimages

上司からの依頼で会議の資料や提案書を作成したものの、いざ見せると「指示したことと違う」と差し戻され、一から作り直すことに。全部作り直して持って行くと、またもや差し戻し……。そんな「差し戻し沼」にハマらないようにするには、どうすればいいだろうか。

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要約公開日 2025.10.14
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