睡眠の「3つの誤解」
「寝だめ」をしてもだめな理由

睡眠には「もっともらしい誤解」がたくさんある。多くの人はそれを信じて、逆効果の習慣を続けている。例えば、次の3つである。
まず、「休日に寝だめして、平日を乗り切ろう」というもの。実は、睡眠はためておくことができない。人は十分な睡眠をとると、それ以上眠ることができないからだ。逆に、睡眠不足は「睡眠負債」としてたまっていくため、寝だめしている人は単に睡眠負債を返済しているだけなのである。
2つめは、「毎日8時間は眠らないといけない」という誤解だ。最適な睡眠時間は人によって異なるため、8時間がその人にとっての理想の睡眠時間とは限らない。
また、「夜10時から午前2時までが睡眠のゴールデンタイム」という説もあるが、これも根拠に乏しい。ただし「睡眠のゴールデンタイム」自体はあり、入眠直後の睡眠サイクルが終わるまでの間だとされる。
3つめは「自分はショートスリーパーだから大丈夫」という思い込みだ。たしかに「ショートスリーパー」は存在するが、それは遺伝的特質で決まる。カリフォルニア大学の研究によると、その発生率は10万人中わずか4人。つまり、ほとんどの人は“自称ショートスリーパー”で、自身のパフォーマンス低下に気づいていないだけなのだ。
次章からは、時間帯別の科学的に正しい「快眠ルーティン」を紹介する。
日中の快眠ルーティン
「二度寝」は睡眠不足の証
アラームを小刻みにセットして、あえて二度寝や三度寝をする人がいる。実は「二度寝できる」のは睡眠不足の証拠であり、すでに睡眠負債を抱えている可能性がある。
睡眠中は浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を交互に繰り返す。朝が近づくにつれてレム睡眠の時間が増えていき、交感神経の働きによって体温が上昇して自然に目が覚める。
しかし、ノンレム睡眠時に起こされてしまうと、スッキリ目覚めることができない。この場合は少しだけ二度寝をして、レム睡眠からの覚醒をやり直すと目覚めが良くなるはずだ。
気をつけたいのは、長時間の二度寝をしないことだ。睡眠リズムが乱れてしまうため、15~20分にとどめたい。
とはいえ、本来は二度寝に頼らない生活が一番である。日ごろから睡眠不足にならないように生活リズムを整えたい。
ながら運動で「睡眠圧」を高める
日中に“ながら運動”を取り入れると、「睡眠圧」を高めやすい。睡眠圧とは “眠ることへの駆動力”。起きている間にどれだけ脳内にアデノシンがためられるかで変わってくる。




















