幸せと不幸せは別のもの
「不幸せでない」は「幸せ」ではない

「幸せであること」と「不幸せでないこと」は同じではない。
一般的には、幸せと不幸せは一本の線の両端にあるように考えられがちだ。しかし、パーソル総合研究所との共同調査から見えてきたのは、幸せと不幸せはそれぞれ独立した概念だという事実だった。
調査では、4634人の働く日本人を対象に、「働く幸せ」と「働く不幸せ」を測定した。その結果、「幸せで、不幸せでもない」人が43%と最も多かった一方で、「幸せだが、不幸せでもある」人が8%、「幸せでなく、不幸せでもない」人が11%、「幸せでなく、不幸せ」な人が16%存在した。さらに23%はその中間に位置していた。
この結果は、「不幸せが減れば幸せになる」という単純な考え方では説明できない。
たとえば、残業削減やハラスメント対策によって職場環境が改善されたとする。これは不幸せを減らすことにはつながるだろう。しかし、それだけで幸せになれるとは限らない。反対に、自分の仕事に大きな意味を感じていても、人間関係や評価制度に問題があれば不幸せを感じることもある。
つまり、幸せな職場をつくるためには、不幸せの原因を取り除くだけでは不十分であり、幸せを生み出す条件も満たさなければならないのである。
さらに、幸せと不幸せは単なる気分の問題ではない。幸せに働いている人は、挑戦的で創意工夫に富み、周囲との協力にも積極的である。一方、不幸せな人は防御的になり、指示待ちになりやすく、周囲との協力も減少する傾向がある。
働く幸せと不幸せは、その人の行動やパフォーマンス、組織へのコミットメントにまで影響する重要な要素なのである。
働く幸せは自分でも変えられる
働く幸せは職場環境だけで決まるものではない。
もちろん、評価制度や組織文化、上司との関係など、個人の力だけでは変えられない問題も存在する。しかし調査からは、働く幸せには「自分の心の持ちよう」も影響していることがわかった。
たとえば、自分の仕事にどのような意味を見出すか。周囲との関係をどのように築くか。日々の業務の中で小さな達成感をどう見つけるか。こうした要素は、環境が変わらなくても自分の意識によって改善できる。
もちろん、すべてを個人の努力だけで解決できるわけではない。構造的な問題は組織として解決する必要がある。しかし、職場が変わるのを待っているだけでは、状況は変わらない。
まずは、自分の職場で何が幸せを高め、何が不幸せを生み出しているのかを知ること。その現状把握こそが、働く幸せへの第一歩となる。
















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