金融の基本
インフレが進む日本
日本で進むインフレ。その要因の一つは、需要に対して供給が足りないことにあるといわれている。これを解消するには出生率を高めることが不可欠だが、少子化対策が成功してもタイムラグは免れないし、外国人労働者を増やすことには主要政党が及び腰だ。
さまざまなマクロ経済政策が芳しくなければ、生活者の家計と幸福を守るのはミクロの経済である。つまり、「自分と家族の幸福を最適化する」ことが必要だ。
今から考えるのは、インフレの世界で「家計の富を守り、増やしていく」方法である。
利息はタイムマシンの使用料

経済的リスクを金融市場でヘッジするにはまず、金利について理解しなくてはならない。金利とは「時間の値段」といえる。
あなたがマイホームを持ちたいとき、節約しながら貯金して、30年後にやっと、物件の値段に手が届くとしよう。しかし、子どもも独立してしまうようなそのタイミングに、家を買う意味は薄まっているはずだ。30年後に貯まっているお金をタイムマシンで運んでくれたら、いま買えるのに。このタイムマシンが住宅ローン、いわゆる「借金」である。
ただし銀行には、30年分のタイムマシンの乗車賃を支払わなくてはならない。これが金利であり、「時間の値段」というわけだ。
お金を貸して利息をうけとり、利息を払ってお金を借りる。こうした行為をファイナンスという。ファイナンスとはつまるところ、管理人と顧客によるタイムマシンの貸し借りなのだ。
では、この時間の値段を誰が決めるのだろうか。ここで注目するのが「国債」である。借金の証書である債券は、会社が発行すれば社債、国が発行すれば国債となる。なぜ国債が重要なのかというと、金利は国債の価格で決まるからだ。国債の価格が下落すると金利が上がり、逆に国債の価格が上昇すると金利は下がる。こうした関係を理解するのが、金利を知る第一歩となる。
国債と金利の関係
将来価値と現在価値
債権者が10万円の債権を売りたい場合、相手はいくらなら買うだろうか。たとえば金利が10%のときに10万円を貸すと、債権者は1年後に11万円受け取れる。だから直感的には、途中で売却するときの値段は、10万円から11万円の間になりそうだ。だが実際には、この債券の価格は10万円を下回ることも、11万円を上回ることもある。債券の価格は、「そのときの市場の金利によって変動するから」だ。
この不思議な現象を解くカギとなるのが、「将来価値」と「現在価値」という概念である。将来価値とは、現在から見た1年後の11万円のことだ。現在価値とは、1年後に11万円となる債券の、いまこの瞬間(現在)での価値、すなわち10万円のことを指す。この2つは、10%という金利でつながっている。




















