新訂 孫子

未 読
新訂 孫子
ジャンル
著者
金谷治(訳注)
出版社
岩波書店
定価
660円(税込)
出版日
2000年04月14日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.5
要約全文を読むにはシルバー会員またはゴールド会員への登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
この要約を友達にオススメする
新訂 孫子
新訂 孫子
著者
金谷治(訳注)
未 読
書籍情報を見る
ジャンル
出版社
岩波書店
定価
660円(税込)
出版日
2000年04月14日
評点
総合
4.3
明瞭性
4.5
革新性
4.0
応用性
4.5
本の購入はこちら
おすすめポイント

本書は古代中国の兵法書として名高い一冊で、紀元前から長年にわたり広く読み継がれている、まさに大古典である。戦争における現実認識の重要性と戦略の必要性を伝えるこの本は、現代においては経済の分野で戦うビジネスパーソンのバイブルとなっている。経営者の必読書とされることもしばしばである。

この中で述べられる内容には大きく三つの特徴がある。まず第一に、戦争の方法について書かれた本でありながら、戦争を非効率的であると考えていることが挙げられる。つまり、戦わずに勝つことが最上とされる。そして次に、冷静な状況把握が徹底されている点もポイントである。負けないために何が必要なのかを現実に立脚しながら考えている。最後に、徹底した戦略重視のスタンスが貫かれている。スパイの重要性について述べる段はその典型である。

以上のように、いかに効率的に勝利を引き寄せるかが説かれている本書は、現代においてもまったく古びない価値を持っている。一読すれば、経営戦略の原型のほとんどがここにあることに気付くであろう。この決して分厚いわけではない一冊を読みこなし、自分のものにすることができれば、それだけでいま巷を賑わしている何冊もの本の核心を一挙にものにできるに等しい。

本書は訳文も平易であり、丁寧な注釈もついている。解説書を手に取る前に、ぜひこの原典に挑戦してほしい。きっと想像力を刺激されるに違いない。

ライター画像
金松豊

著者

孫武
『孫子』の著者と考えられている人物。中国の春秋時代の兵法家。斉(今の山東省)で生まれ、呉の王に仕えた。戦術を駆使して大国の楚を破るなど、武名を挙げた。孫子は敬称である。

本書の要点

  • 要点
    1
    本書では、戦わずして勝つことが最上と主張され、戦争を奨励はしていない。しかし、いざ戦争となったとき、いかにして自国の被害を最小限に抑え、同時に大きな利益をあげることができるかを考察している。
  • 要点
    2
    この目的を達成するためには、敵を知り自軍を知ったうえで、冷静に状況分析をすることが必要になる。そして、自軍が戦いにおいて主導権を握れるような戦略を立てる。戦術の極致は、敵に自軍の形を見せず、相手が備えることを不可能にすることである。

要約

戦わずして勝つことが最上である

実際に戦うことは上策ではない
TerrySze/iStock/Thinkstock

戦争は国家にとって非常に大きな決断であり、国民の生死や国の存亡がそこで決まる。そして戦争には膨大な準備が必要となり、多くの費用もかかる。長期間陣営を保とうとすれば、国家の経済にも大きな影響を及ぼす。国が弱れば、外国の恰好の餌食ともなってしまう。こうした戦争の損害を知らない者は、戦争の利益も十分にわかっていないといえる。

このように、戦争は国家の一大事であるからして、慎重に事を進めることが重要である。戦争において、敵を撃破して降伏させることは最も良い作戦ではない。敵を傷つけずに降伏させることが最も良いのである。百回戦争をして百回勝つことは確かにすごいことではあるが、最高に価値のあることではない。戦わずに勝つことこそが最上なのである。

そう考えると、最も優れた勝ち方は、敵国が陰謀をめぐらせているあいだに、その陰謀を打ち破ることである。敵国同士が連合した時はそのつながりをほどくのがその次に良い。そうできなかったときに、ようやく敵の軍隊を打ち破るということになる。最も良くない勝ち方は、敵の城を攻めるということである。城を攻めようとすると、準備に莫大な時間と費用がかかり、自軍が被害を受けることも避けることはできない。戦争を上手く行う者はこうした戦い方をしない。無傷で利益を得ることを目指すのである。

戦わずして勝つためには戦術が必要である

戦争に勝つためには相手の裏をかかねばならない。例えば、仮に自分たちが強くても弱いと思い込ませる、勇猛さを隠して臆病と思わせる、あるいは、近くにいるにもかかわらず遠くにいるように見せかけること。そして敵の様子を観察し、混乱しているときにはそれに乗じて攻めたて、気力充実とみれば防御に徹する。このようにして敵の不意を突くことが重要である。

必ず勝つために何をすべきか
kiankhoon/iStock/Thinkstock

戦争においては、自軍が敵の十倍いたときは、敵を包囲すべきである。そして、五倍であれば敵を攻撃すべきである。二倍であれば敵の勢力を分散させることを優先し、同じ数なのであれば懸命に戦う。自軍が少ないとき、力がかなわないときは、退却し、あるいは隠れるべきである。

そして、必ず勝つためには、五つのことを頭に置いておかねばならない。

この続きを見るには...
この要約を友達にオススメする
一緒に読まれている要約
これからの「正義」の話をしよう
これからの「正義」の話をしよう
マイケル・サンデル 鬼澤忍(訳)
未 読
無 料
リンク
イシューからはじめよ
イシューからはじめよ
安宅和人
未 読
リンク
ビジネスマンのための「読書力」養成講座
ビジネスマンのための「読書力」養成講座
小宮一慶
未 読
リンク
新装版 人を動かす
新装版 人を動かす
デール・カーネギー 山口博(訳)
未 読
リンク
21世紀の資本
21世紀の資本
トマ・ピケティ 山形浩生・守岡桜・森本正史(訳)
未 読
リンク
夜と霧
夜と霧
ヴィクトール・E・フランクル 池田香代子(訳)
未 読
リンク
利己的な遺伝子
利己的な遺伝子
リチャード・ドーキンス 日高敏隆(訳) 岸由二(訳) 羽田節子(訳) 垂水雄二(訳)
未 読
無 料
リンク
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
LIFE SHIFT(ライフ・シフト)
リンダ・グラットン アンドリュー・スコット 池村千秋(訳)
未 読
無 料
リンク
今週の要約ランキング
1
ほっこり
ほっこり
伊藤裕
未 読
リンク
2
やらかした時にどうするか
やらかした時にどうするか
畑村洋太郎
未 読
無 料
リンク
3
経営12カ条
経営12カ条
稲盛和夫
未 読
リンク
おすすめ要約診断
イチオシの本
未来屋書店“フライヤー棚”で売れた今月のベスト3(2022年8月~9月)
未来屋書店“フライヤー棚”で売れた今月のベスト3(2022年8月~9月)
2022.09.26 update
リンク
出版社のイチオシ#080
出版社のイチオシ#080
2022.09.16 update
リンク
「説明術本」のテッパン3冊
「説明術本」のテッパン3冊
2022.09.13 update
リンク
「ばかげたことを!」罵倒するジョブズを変えたのは誰?
【ベストセラーのポイント解説】 「ばかげたことを!」罵倒するジョブズを変えたのは誰?
2022.09.09 update
リンク
インタビュー
『攻殻機動隊』は未来の予言書だった?
『攻殻機動隊』は未来の予言書だった?
2022.09.20 update
リンク
DX推進の立役者が語る、未来を先取りする読書術
DX推進の立役者が語る、未来を先取りする読書術
2022.09.15 update
リンク
「哲学的ゾンビ」が、私の世界を変えた
「哲学的ゾンビ」が、私の世界を変えた
2022.09.08 update
リンク
ダイエットに何度も失敗する人は「因数分解」してみよう
ダイエットに何度も失敗する人は「因数分解」してみよう
2022.09.05 update
リンク
1
ほっこり
ほっこり
伊藤裕
未 読
リンク
2
やらかした時にどうするか
やらかした時にどうするか
畑村洋太郎
未 読
無 料
リンク
3
経営12カ条
経営12カ条
稲盛和夫
未 読
リンク
人生の目標を見つけたい! 必要なのはやっぱりお金?
人生の目標を見つけたい! 必要なのはやっぱりお金?
2022.08.23 update
リンク
出版社のイチオシ#078
出版社のイチオシ#078
2022.08.26 update
リンク
DX推進の立役者が語る、未来を先取りする読書術
DX推進の立役者が語る、未来を先取りする読書術
2022.09.15 update
リンク
この要約をおすすめする
さんに『新訂 孫子 』をおすすめする
保存が完了しました