志村流

金・ビジネス・人生の成功哲学
未読
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志村流
出版社
マガジンハウス

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出版日
2002年03月22日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、志村けん氏死去という突然のニュースに驚かれた方も多いかと思う。「バカ殿様」や「変なおじさん」を演じ、お茶の間で愛されてきた志村氏の早すぎる死は、悔やまれるばかりである。

本書では、お笑いのプロとして長年にわたって第一線で活躍してきた志村氏が、自身の仕事哲学と人生哲学を包み隠さず披露している。そこからは、彼が老若男女、多くの人から愛されてきた理由が感じられる。

「バカ殿様」「変なおじさん」というキャラのイメージに引っ張られ、常にハチャメチャなのかと思ってしまう方もいるかもしれない。しかし本書からは、仕事には投資を惜しまない、徹底して準備を重ねるがそれを視聴者には悟らせないなど、妥協を許さない姿勢が垣間見える。広く愛されてきた「バカ殿様」「変なおじさん」の裏には、想像を絶する努力があったのだ。

本書が書かれたのは、長期的な不景気が続いていた2002年のことだ。そうした背景もあってか、本書には、出口の見えない不況の中で生き抜いていくためのヒントが詰まっている。

「バカ殿様」や「変なおじさん」を演じてきた志村氏を懐かしいと思う人はもちろん、先が見えない中で新たな一歩を踏み出したい人にも、ぜひ読んでいただきたい。第一線で活躍してきた「志村けん」だからこそ書ける一冊だといえるだろう。

ライター画像
木下隆志

著者

志村けん(しむら けん)
1950年2月20日東京都東村山市生まれ。74年4月、ザ・ドリフターズに加入。86年からは単独でも活動。主なキャラクターに「バカ殿様」「変なおじさん」「ひとみばあさん」ほか。
著書に『変なおじさん』『変なおじさん リターンズ』(共に日経BP社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    志村けん氏は、プライベートでは何かにお金をつぎ込むことはなかった。一方、仕事の成果につながる大事なポイントでは、惜しみなく投資をしていた。
  • 要点
    2
    「どんなときでも約束の時間前に現場に入る」「仕事では準備に全力投球して完璧を目指す」など、成功の鍵は意外と地味なところにある。
  • 要点
    3
    仕事のパフォーマンスを上げる、すぐに実行可能で即効性のある方法は、考える前にマネしてみることだ。マネしてみれば自分の適性をふるいにかけられるし、自分ならではの独自性が見えてくる。

要約

人生

一生を24時間に例える
Brankospejs/gettyimages

「人生は72年、それが丸一日だ」と言われることがある。72年間の人生を1日=24時間と考えるならば、72(歳)÷24(時間)で、1時間=3歳となる。

そうすると、本書執筆当時の著者の年齢は52歳だから、17時にあたる。夏ならまだ明るいが、冬であればすでに辺りは暗くなっているころだ。これから夜に突入すると思うと寂しい気もするが、まだお楽しみのディナーが残っているといったイメージだ。

このように、年齢を一日に例えてみると、自身の置かれている状況がイメージしやすくなる。たとえば、働き盛りといわれる42歳は14時だ。一日で最も太陽が高い時間帯である。

42歳=14時を過ぎたら、陽がだんだん傾き、陰って、やがて夜になっていく。もう14時を過ぎている人たちが、これから自分の欠点を直してビジネスに再挑戦しよう、これまでの経験を生かして新たな仕事に転職しようなどと考えているなら、昇りつめてきたこれまでの時間と、沈みゆくこれからの時間に思いを馳せてみてはいかがだろうか。これからの自分の生き方や方向性が、自然と見えてくるはずだ。

「変なおじさん」に変身してみる

夕方の17時ごろ、つまり50歳を過ぎても成果が何もなかったり、宙ぶらりんの状態だったりするならば、ここは思い切って、考え方を方向転換してみるのもいいだろう。たとえば、「変なおじさん」に変身してみてはいかがだろうか。

「変なおじさん」とは、テレビ番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』で、著者が演じていたキャラである。若くてかわいい女の子が大好きで、いろんなものに変装し、たわいないイタズラをする。実はこのキャラは、著者の本心や願望を代わりに表現してくれている。

50歳を過ぎても宙ぶらりんの人は、能力や才能がないというよりは、自分自身を解放できずにいる人だ。そんな人は、自分にはできないと感じたとき、心の中で「変なおじさんにヘンシ〜ン」と叫んでみてほしい。

そうすることで、自分を解放してやることができる。人生も後半戦に突入してきたなら、いままでの自分や周囲から作られた固定概念を取っ払い、自分自身に素直になって生きていこう。

いろんな顔をもつ
Hakase_/gettyimages

テレビに映る「志村けん」は、実は3人いる。

1人目は、1950年2月20日生まれの、本名・志村康徳。これが「素の志村けん」だ。

2人目は、17歳の高校卒業直前にドリフターズの付き人から出発した「芸人・志村けん」。

そして3人目は、「変なおじさん」「ひとみばあさん」「バカ殿様」などを演じている「キャラ・志村けん」である。

多重人格というわけではないが、それぞれにはきっちり役割がある。この3人を、著者が管理しているのだ。

「素の志村けん」は、「芸人・志村けん」と「キャラ・志村けん」というブランドを管理する総括責任者である。「芸人・志村けん」の品質と財布の管理だけでなく、羽目を外さないように見張り、将来のことも考えておかなければならない。

「芸人・志村けん」は、タレントであり、第一線の営業部長であり、稼ぎ頭でもある。新たなお笑いのスタイル作りから番組制作の予算配分、CM出演やバラエティ番組のゲスト出演もこなす。

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要約公開日 2020.06.21
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