「頭の中のひとりごと」の正体
私たちを苦しめる「反すう」
過去の出来事を思い出し、自分の考えを何度も思い返してしまうことを「反すう」という。「あのとき、こうすればよかった」「なぜあんなことを言ってしまったのか」と嫌なことや失敗したことを延々と考え続けてしまう。本書では「頭の中のひとりごと」を、「反すう」とよぶことにする。
反すうを繰り返すと気持ちが落ち込み、ひいては心の健康に悪影響を及ぼすこともある。
反すうが生じる原因は、脳の感情をコントロールする部位がうまくはたらかないことである。本書では脳や神経のしくみ、心のはたらきから見た反すうのメカニズムについて解説する。反すうのしくみを理解すれば、適切に対処でき、上手に距離を取れるようになるだろう。
反すうは雪だるま式に増えていく

寝る前にふと今日のミスを思い出して、こんな考えに陥ることはないだろうか。
「ああ、今日はほんとミスったなあ……」(出来事の想起)
「またやっちゃったよ。最悪」(出来事に対するネガティブな感情)
「そういえば、前もこんな失敗したよな」(過去の出来事を思い出す)
「自分はいつまでも進歩がない」(ネガティブな認知が生じ、とらわれる)
このような「反すうモード」に入ると、自分に対する否定的な考えや思いが雪だるま式に増えていき、極限に達すると「こんな自分は生きていても仕方ない」とまで思い詰めるようになってしまう。反すうを放っておくのは、非常に危険なことなのである。
「反すう」と「反省」は違う
反すうは有害なものだが、一方で「自らを振り返って、反省するのは大事なことではないか」という意見もある。




















