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フローとストックの表紙

フローとストック

世界の先が読める「思考」と「知識」の法則


本書の要点

  • 人間の知的活動においては、日々の「思考」というフローの積み重ねが、「知識」というストックとなって蓄積されていく。

  • 「考える」とは、「具体」と「抽象」を往復することである。

  • 世の中の具体的な個別の事象を、抽象度を上げて連続的に捉えることで、その変化のメカニズムからさまざまな事象を説明し、次に起きる出来事を予想できる。それを可能にするツールが、「フローとストック」を縦軸、「具体と抽象」を横軸にとった「CAFSマトリックス」だ。

  • イノベーションを生むためには、「ストックとしての具体」に当てはまらない例外としての歪みを見つけ出し、常識や慣習を解きほぐして、「フローとしての具体」へと転換する思考が必要とされる。

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フローとストック

「フロー」は流れ、「ストック」は蓄積

先の見えないこの時代に、どうしたら次に起こる出来事を予測できるだろう。それを可能にするのは、世の中の具体的な個別の事象を、抽象度を上げて連続的に捉えることだ。これにより、変化のメカニズムからさまざまな事象を説明し、次に起きる出来事を予想できる。

そのような行為の軸となるのは「フローとストック」と「具体と抽象」という考え方だ。まずは「フローとストック」について解説したい。

「フロー」とは「流れ」のことだ。これには、水や空気、人の流れのような「目に見える」流れだけでなく、お金、情報、時間などといった「目に見えない」流れも含まれる。

一方、「ストック」は「蓄積」「積み上げ」に近い概念だ。米や石油などといった「目に見える」ものだけでなく、お金や情報などの「目に見えない」ものも含まれる。

世の中の変化は、フローとストックの概念を使って説明できる。なんらかの入力と出力がフローだとするならば、その結果が履歴として蓄積されていくのがストックだ。浴槽と水にたとえるなら、蛇口から入ってくる水がフローで、浴槽に溜まった水量がフローの結果によるストック、そして排水はフローにあたる。

フローは「行為」、ストックは「状態」

Nobi_Prizue/gettyimages

「フローとストック」はそれぞれ独立しているものではない。フローがあればストックが生じ、ストックがあればそこに変化をもたらすフローが存在する。

たとえば、「転んで怪我した」という出来事について考えてみよう。「転ぶ」という「行為」はフローで、その結果として「怪我」という「状態」がストックとして生じる。こう考えれば、フローは個々の行為(動詞)であり、ストックはその結果として出力される「状態」(名詞)として捉えられるだろう。

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要約公開日 2024.09.20
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