脳が一生忘れないインプット術の表紙

脳が一生忘れないインプット術

スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える


本書の要点

  • 速読ができる人は「つまみ読み」している。つまみ読みのコツは、見出しやタイトルを先にしっかりと読むこと、全体を把握した上でそれぞれにかける時間配分を決めること、章やセクションのはじめと各段落のはじめに目をつけること、だ。

  • より速く効率的にインプットするためには、読む前・読みながら・読んだ後の3つのフェーズに分けて「アクティブ・リーディング」を実践するとよい。

  • インプットした内容をしっかり定着させるには「リトリーバル」が有効だ。一度インプットした内容を意識的に脳の中から取り戻そう。

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速読者が実践する「読み方」

速読の鍵は「目の動かし方」ではなく「脳の理解力」

速読の達人アン・ジョーンズは、784ページに及ぶハリー・ポッター最終作を47分で読破した。アンのような驚異の速読を一般人が真似することは可能なのだろうか。ここでは、インプットの王道である「読む」を、より速くより効果的に行うスキルについて考えていく。

まず、視野を広くしたり目を速く動かしたりしても、アンのような高速読書はできない。さまざまな研究により、視野の広さや目を動かす速さには限界があることが示されている。

またある実験によると、読書時間のおよそ8割は、目から新しい視覚情報をインプットする作業ではなく、脳が言葉の意味を理解する作業に費やされていることがわかっている。つまり速読の鍵は、目の動かし方ではなく脳の理解力にあるのだ。

速読の3つのコツ

Imgorthand/gettyimages

アン・ジョーンズのように、驚異的な速読術を身につけた人たちは一体どのように読んでいるのだろうか。

科学的研究によると、速読者たちは「効率的なつまみ読み」を実践している。これは、書いてある文字情報を全て目に入れようとするのではなく、重要そうな部分にだけ注目する読み方だ。

速読者たちは、「つまみ読み」で得られた情報と自分の持っている知識を重ねて、全体の内容を推測している。冒頭のアンの例では、読んだ本がハリー・ポッターであり、前作までの知識があったことも有利に働いたと考えられる。実際、速読者であっても、予備知識のない文章を読んだ後では、理解度テストの点数は普通の人と変わらないという実験結果もある。

つまみ読みのコツは次の3点だ。

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要約公開日 2025.02.27
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