頼るのがうまい人がやっていること
頼るのがうまい人がやっていること
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頼るのがうまい人がやっていること
出版社
秀和システム新社

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出版日
2025年05月10日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「人に頼る」のは果たして良いことだろうか、それとも悪いことだろうか。

経済的に考えれば、人のリソースを使って自分が助けてもらうわけだから、それは自分にとっては得だが、相手にとっては損ということになるだろう。人を頼るのが苦手な人の根底には、「相手に損をさせて自分だけ得をするのはいかがなものか」という善良な感情があるかもしれない。

しかし、本書ではそう考えない。人は根本的に「人を助けることが好きな生き物」であり、頼られることは嬉しいものだと本書は説く。それだけでなく、人を頼って助けてもらうことは、やがてその人が自分だけでなく誰かを助けることにもつながり、コミュニティそのものを風通し良く強固なものにするというのである。

確かに人間は、助け合うために社会をつくり、互いに頼り頼られることでそれを発展させてきた。もしかすると、人に頼ることは人間社会の根底をなす重要な振る舞いなのかもしれない。

もちろん頼り方によっては、相手との関係が気まずくなることもあるかもしれない。しかし、心をオープンにして適切な頼み方をすれば、さらに仲良くなったり、よりポジティブな関係性を築いたりすることができる。

本書では、“頼ることができる人”になるためのアドバイスが、豊富に記されている。上手に人に頼ることは、習得可能なスキルである。ぜひ本書から、そのコツをつかんでいただきたい。

ライター画像
池田明季哉

著者

有川真由美(ありかわ まゆみ)
作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、カメラマン、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く人のアドバイザー的存在として書籍や雑誌などで執筆。内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮しの質」向上検討会委員(2014―2015)。日本ペンクラブ会員。著書に『一緒にいると楽しい人、疲れる人』(PHP研究所)、『運がいい人の「話し方」、運が悪い人の「しゃべり方」』(廣済堂出版)、『「気にしない」女はすべてうまくいく』『みるみる幸運体質になる!「自分ほめ」』『「やらないこと」を決めるとほんとうの私が動きだす』『こころがフワッとする言葉 オールカラー版』『「振り回されない」女は人生をとことん楽しめる』『マンガでわかる 気にしない人はすべてうまくいく』(以上、秀和システム)など、多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    「頼みごとをすると迷惑をかける」というのは誤解である。人は頼られると、自分は信頼されている、必要とされていると感じ、自己肯定感が上がるものである。
  • 要点
    2
    人に頼むときのコツは、相手の状況に配慮して、頼む理由をプラスすることだ。頼んだあとは、感謝の言葉と「どんなに助かったか」を具体的に伝えよう。
  • 要点
    3
    信頼関係を築くために、日頃から小さな助け合いを積み重ねたい。相手に関心を持ち積極的に動いていれば、自然と頼りやすい環境ができてくる。

要約

【必読ポイント】「頼ること」への心のブレーキを外す

人生は「頼ること」で好転する

「頼りたくても頼れない」という人は、周囲のことを気遣う優しい人である。頼ることで周囲に「ネガティブな影響を与える」のではと思うと、なかなか頼れなくなってしまう。

しかし、逆に考えてみよう。頼ることには「ポジティブな影響を与える」という側面もある。実際、会社でも家庭でも、頼り合うことでコミュニティのつながりは強く深くなっているはずだ。「自立」とはひとりでなんでもすることではなく、たくさんの頼る人、頼るものを持つことなのである。

上手に人を頼れるようになると、人生は好転していく。“頼るスキル”を身につけることは、自身の身を守り、成長や成功への鍵となるはずだ。

頼みごとをしたら、迷惑になる?
Igor Suka/gettyimages

私たちは、助けられる側が常に得をし、助ける側は損をしていると思いがちである。ゆえに「迷惑をかけてしまうのではないか」と助けを求めるハードルは上がっているし、助けてもらったあとも「なにかお返しをしないといけないのではないか」と思ってしまう。逆に、助けた側からお返しや感謝がないと、「あんなにしてあげたのに」と恩着せがましく感じたりもする。

だが、「頼みごとをすると迷惑をかける」というのは誤解である。人から頼られることほど、気分の上がるものはないからだ。職場で後輩から「仕事を教えてほしい」と頼まれたり、同僚から「プロジェクトチームに加わって」と誘われたり、友人から「相談に乗って」と頼まれたり――。人は頼られると、自分は信頼されている、必要とされていると感じるものである。

相手が喜んでくれたら、それが最高の「お返し」だ。人間の一番の喜びは、なにかを与えてもらうことよりも、「自分がなにかを与えられること」にある。感謝されて自己肯定感が高まれば、承認欲求が満たされるだけでなく、心の健康を取り戻す効果もあるのである。

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要約公開日 2025.12.08
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