リーダーの「任せ方」の順番
リーダーの「任せ方」の順番
部下を持ったら知りたい3つのセオリー
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リーダーの「任せ方」の順番
出版社
明日香出版社

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出版日
2025年09月25日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「任せる」というのは、とても難しい営みである。部下を信頼してすべてを任せれば「丸投げ」と言われ、よかれと思って細かく状況を確認して指示をすれば「マイクロマネジメント」と言われる。こうしたジレンマに身に覚えのある人は少なくないだろう。果たして「任せ方」の答えはどこにあるのだろうか。

本書が提案する考え方は、「任せることは信頼の表現であり、リーダーの成長でもある」というものだ。単に仕事を振るだけでは人は育たない。任せるとは、相手の能力を信じ、判断や行動を委ね、失敗さえも学びに変えるプロセスである。任せることを学ばなければ、自分ひとり以上の仕事は永遠にできるようにならない。プレイヤーにとどまることを乗り越え、リーダーとして成長するとは、自分という限界を超えるひとつの方法なのである。

著者はリクルート出身で、現在はリーダー育成の専門家として知られる伊庭正康氏だ。これまで『できるリーダーは、「これ」しかやらない』など、リーダーシップに関する数多くの著書を世に送り出してきた。

本書では、「任せ上手」になるためのノウハウを「3つのセオリー」として整理し、任せるための下準備、実践、そしてフォローまでを順を追って解説する。

理論的でありながら実践的でもある本書のあり方は、メソッドと経験則の両面から書かれている点で、著者自身が重ねてきた厚い試行錯誤を思わせる。

「任せられない」ことに悩むリーダーにとって、本書は気づきと成長をもたらす一冊となるだろう。

ライター画像
池田明季哉

著者

伊庭正康(いば まさやす)
(株)らしさラボ 代表取締役
リクルートグループ入社後、法人営業職として従事。プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞。累計40回以上の社内表彰を受け、営業部長、社内ベンチャーの代表取締役を歴任。
2011年、研修会社(株)らしさラボを設立。リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(リーダー研修、営業研修、コーチング、講演)を行っている。実践的なプログラムが好評で、リピート率は9割を超え、その活動は『日本経済新聞』『日経ビジネス』『The21』など多数のメディアで紹介されている。Webラーニング「Udemy」でも、時間管理、リーダーシップ、営業スキルなどの講座を提供し、ベストセラーコンテンツとなっている。
『できるリーダーは、「これ」しかやらない』『できる営業は、「これ」しかやらない』(以上、PHP研究所)、『「すぐやる人」のビジネス手帳術』(ナツメ社)、『仕事の速い人が絶対やらない段取りの仕方』(日本実業出版社)、『最速で仕事が終わる人の時短ワザ』(明日香出版社)など、著書は累計50冊以上。

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本書の要点

  • 要点
    1
    上司の役割は、部下の得手や主体性を引き出すことである。部下を育成し、思い切って任せていくことが必要だ。
  • 要点
    2
    リーダーは「できるようになったら任せる」から、「任せるからできるようになる」という発想の転換をしなければならない。
  • 要点
    3
    部下に仕事を任せる際のセオリーは、(1)安心して任せるための下準備をする、(2)7つの基本原則を使って実践する、(3)フォローをしてさらなる成長に導く、の3つである。

要約

なぜ部下に任せられないのか?

上司の仕事は「部下を主役にすること」

「上司と部下、どちらが優秀ですか?」と聞かれたら、なんと答えるだろうか。実際にどうであるかはともかく、まずは「部下のほうが優秀である」と考えてみてほしい。

上司は完璧な存在ではない。上司の見えていない箇所、気付かない選択肢、できない分野の得手を持っているのが部下だ。新しい技術であるAIの活用法についても、むしろ部下のほうが詳しいかもしれない。

上司の上司――すなわち会社は、上司が主役になることを期待しているわけではないはずだ。上司の役割とは、部下の得手や主体性を引き出すことに他ならない。部下を主役にし、しっかり育成すること。そのマインドを持って、思い切って任せていくことが必要だ。

任せられない「心のブレーキ」
kokouu/gettyimages

部下に仕事を任せることに抵抗を感じているなら、心に見えないブレーキがあるのかもしれない。たとえば、次のようなことを思っていないだろうか。

・人に頼むより「自分でやったほうが早い」と思ってしまう

・部下も忙しいだろうから頼みにくい

・任せた仕事をミスされるのが怖い

・自分ができることを部下に任せるのは怠けている?

・頑張ることは美徳である

1つでも当てはまるものがあれば、見えない思い込みにとらわれている可能性が高い。

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要約公開日 2025.12.04
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