ChatGPT英語学習術
ChatGPT英語学習術
新AI時代の超独学スキルブック
著者
NEW
ChatGPT英語学習術
出版社
出版日
2025年02月19日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

英語学習者や英語の指導者にとって、生成AIは無視できない存在になった。登場してからほんの数年で、英語学習のあり方はまったく変えられてしまったといっていい。しかし、ただ生成AIを使いさえすれば、効果的な英語学習ができるというわけではない。生成AIは便利なツールではあるが万能ではない。その特性を理解し、英語学習の本質を押さえて活用することではじめて、生成AIは真価を発揮する。

本書は、生成AIを英語学習の「パートナー」として最大限に活かすための方法を、体系的に解説している。「メタ認知」「メタ言語」「プロンプトエンジニアリング」の3つのスキルを中核に据え、それぞれの役割を丁寧に整理しながら、具体的な活用例を豊富に提示している点が特徴的だ。特に、ChatGPTにどのようなプロンプトを入力すれば、自分に合った教材が得られるかについて、具体例が数多く紹介されている。これらを参考にすれば、自分のレベルや目的に合ったオリジナルの英語教材を、無限に、無料で生成することが可能になる。最適な教材を自分で作成できれば、学習効率は飛躍的に向上し、目標が明確になることでモチベーションも自然に高まることだろう。

本書は英語学習者だけでなく、教育関係者やAIに興味を持つ読者にも学びの多い一冊だ。AI時代に、どうしたら学習者の自律的な学びが実現できるかを模索する人に一読をおすすめしたい。

ライター画像
池田友美

著者

山田優(やまだ まさる)
東京都出身。立教大学 異文化コミュニケーション学部 教授。米国ウエストバージニア大学大学院修士(言語学)。立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科 博士(異文化コミュニケーション学/翻訳通訳学)。フォードモーター社内通訳者、産業翻訳者を経て、株式会社翻訳ラボを設立。八楽株式会社チーフ・エバンジェリスト。オンラインサロン翻訳カフェ主宰。日本通訳翻訳学会(≈)理事、一般社団法人アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)理事歴任。著書に『自動翻訳大全』(三才ブックス)、『Metalanguages for Dissecting Translation Processes』(Routledge)(いずれも共著)、『ChatGPT翻訳術 新AI時代の超英語スキルブック』(アルク)等がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    英語学習における生成AIの活用には、「メタ認知」「メタ言語」「プロンプトエンジニアリング」の3つのスキルが重要だ。これらを統合することで学習者自身が自律的に学びを進めることができる。
  • 要点
    2
    学習したい内容に合わせた「メタ言語」を用いてプロンプトを工夫することで、自分の目的やレベルに合わせた英語の練習問題や語彙リストを生成することができる。
  • 要点
    3
    ChatGPTの音声会話機能を使って実際の場面に近いロールプレイ形式のスピーキング練習を行ったり、自作の英文に対して文法や語法の誤りを指摘してもらったりすることで、英語のアウトプット力を効果的に磨くことができる。

要約

【必読ポイント!】 英語学習とAI活用の土台を築く

AIは英語学習にどう役に立つのか
Supatman/gettyimages

生成AIの登場で、英語学習の可能性は大きく広がった。英会話の練習、作文の添削、指定の単語を含んだ例文の提示など、この新しいツールがさまざまな役割をこなしてくれるおかげで英語学習がもっと楽になるのではないかという期待が高まっている。

生成AIを利用した学習の大きな利点は、従来の学習方法に比べてより個別化された学びを得られるという点だ。従来の英語学習では、教師から教わるのでも自習であっても、カリキュラムや教材は固定化されていて、学習者の個々のニーズに即したものであるとはいえなかった。自主学習だけでは自分の不足に気づきづらいが、個別指導や添削サービスを受けようと思えば費用がかさみ、指導やレビューには時間がかかるという難点もあった。

生成AIはこうした課題を解決する可能性を秘めている。生成AIの強みを引き出せば、学習者に合わせたカスタマイズ教材を即時生成することが可能だし、AIがリアルタイムで添削やアドバイスを提供し、さらには24時間いつでも利用可能である。個別指導に比べれば、費用も安価で済む。

生成AIを本当に効果的に活用するには、単なるツールとみなすのではなく、「学習を支えるパートナー」として位置付けなければならない。そのために必要なスキルを「メタ認知」「メタ言語」「プロンプトエンジニアリング」の3つであると本書は定義する。

これらのスキルを組み合わせることで、生成AIは英語学習を深めるための自律的パートナーとなる。この枠組みを通じて、「自分の学びをデザインするプロセス」を身につけることが本書の目標だ。

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要約公開日 2025.06.26
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