なぜだろう。生まれたばかりの赤ん坊には無限の可能性を信じて疑わないのに、自分の人生が平凡であることを受け入れてしまうのは。
自分が完全にコントロールできるのは、自分自身だけである。言い換えれば、自分が何をして、どんな人間になり、他者とどう関わるかは、自分の意思で決められるということだ。だからこそ、自分史上最高の自分になって、望む人生を実現することに日々意識を向けるべきである。
あなたはどうだろうか。自分が本当に望む成功を手に入れるために、時間とエネルギーを投じているだろうか。望みよりも低い成果に甘んじてしまっていないだろうか。
著者はこれまでに人生のどん底を二度経験している。
一度目は、居眠り運転の車に衝突され、6日間も昏睡状態に陥ったこと。そして二度目は、リーマンショックの影響で多額の負債を抱え、深刻なうつ状態となったことである。
ところが、二度目のどん底の渦中にあったある朝、状況が思いがけず変化した。オーディオブックから聞こえてきたあるフレーズが、著者の胸に強く刺さったのである。
――あなたの成功のレベルが人間としての成長のレベルを超えることはめったにない。
なぜなら成功は、あなたの人間としてのレベルが引き寄せるものだからだ――
その瞬間、著者は気づいた。今の自分は、望む成功を手にするだけの人間になれていないのだと。手に入れたい人生を実現するには、それにふさわしい人物になる必要がある。そのために、毎日、自分を成長させる時間を意図的に確保しなければならない。そう腹落ちしたのだ。
そこで著者は、スケジュール帳を片手に、自分を成長させるための時間を捻出できるタイミングを探した。
夜はどうか。午後なら可能だろうか。だが、冷静に考えると現実的ではなかった。
では、朝なら――。いや、無理だ。早起きが大嫌いなのだから。
それでも考えれば考えるほど、選択肢は「朝」しかなかった。朝に成長のためのルーティンをこなせば、その後の時間を前向きな気持ちで過ごせる。しかも朝なら、「疲れた」「時間がない」といった言い訳が通用しない。
こうして著者は、翌日のスケジュールに「朝5時起床」と書き込んだ。
もうひとつ問題があった。それは「その1時間に何をすれば、人生に最大のインパクトを与えることができ、最速で人生を改善できるだろうか」ということだ。
著者が成功者たちの行動習慣を徹底的に調査すると、次の6つの行動が浮かび上がった。
(1)瞑想など沈黙のなかに身を置くこと
(2)アファメーション
(3)イメージング
(4)エクササイズ
(5)読書
(6)日記を書くこと
とはいえ、どれを選べば人生を最速で変えられるのか、判断がつかない。ならばすべてを試してみよう――そう決めた著者は、翌朝1時間早く起きて、それぞれ10分間ずつ試すことにした。
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