【必読ポイント!】 思い出の品を手放すべき理由
思い出の品にまつわる思い込み
思い出の品は選んで持つ。
私たちは「思い出」という言葉だけで、その品に特別な価値があると思い込んでしまう。思い出の品のなかには、本当はそれほど思い入れがないものや、よく覚えていないものもあるはずだ。当時を思い出すきっかけになることはあっても、それが今の自分にとって重要だとは限らない。
最初は大切にしていた思い出の品でも、数が増えるにつれ棚の奥や箱の中に押し込まれていく。そうなると、どんな思い出の品だったのかも思い出せなくなっていくはずだ。
思い出の品は、もう使わないことがわかっていても手放しづらい。そうして、必要がないにもかかわらず、部屋の一角を占領し続ける。やがて「いつか片付けなければいけない」とプレッシャーになり、精神的な負担になっていく。
自分にとっては宝物でも、他人から見たら意味のわからない古いものにすぎない。自分が死んだあとには、片付ける人にとって大きな負担になる。遺品の整理が大変だったという声は多いものだ。故人の意向がわからなくて、処分することに罪悪感を抱える人もいる。あらかじめ自分で思い出の品を整理しておくことは、残された遺族に対する贈り物になるはずだ。
ものが消えても、つながりは消えない

思い出の品を捨てにくいのは、感情や記憶のような目に見えないものと結びついているからだ。思い出の品を手放すことで、品物ばかりでなく、自分の記憶や他者とのつながりを失ってしまうのではないかという恐怖がある。親の形見や友人からのプレゼントなど、人とのつながりを象徴する品ほど捨てがたいと感じるものだ。誰かからものをもらったとき、愛情や好意ももらったように感じる。それを捨てることは、相手の気持ちをないがしろにするような気がしてしまい、罪悪感が生まれるのだ。



















