「読まない時代」の現実
読書習慣の二極化
デジタル媒体が普及し、紙の本を開く時間が減ったと言われる。私たちは今、本当に「読書離れ」の時代を生きているのだろうか。
ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所が共同で実施した調査によると、小学1年生から高校3年生までの子どもの約半数(49.0%)が、平日に全く読書をしていない。子ども全体の1日あたりの平均読書時間は、2015年の18.2分から2022年には15.2分へと、7年間で約3分減少した。
たった3分と思うかもしれないが、著者はここに「読書習慣の二極化」という構造的な問題があると指摘する。日常的に読書を継続する「多読層」と、全く読書をしない「不読層」に明確に分かれてしまっているのだ。幼少期の読書体験の差は、子どもの将来にまで長期的な影響を及ぼす。さまざまな研究結果から考えると、子ども時代に「何を」「どのように読むか」という読書経験が、生涯にわたる認知能力や意識・非認知能力の形成にまで影響を与えていると考えられるからだ。
紙からデジタルへの移行

では、大人はどうか。令和5年度の文化庁国語課による調査では、日本人の読書習慣が紙媒体からデジタルデバイスへと明確に移行している実態が示された。「読書量は減っている」と答えた人は全体の約7割。その理由として最も多く挙げられたのが「スマートフォンやパソコン、ゲーム機などの情報機器に時間が取られる」で約44%、次いで「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が約39%だった。16歳から19歳に至っては、約71%が情報機器の使用を読書時間減少の理由として挙げており、デジタルデバイスの普及が若い世代の読書習慣に深刻な影響を与えていることが浮き彫りとなった。




















