【必読ポイント!】「答えを教えないタイプ」の教え上手は、何をしているのか
「答えを教えるタイプ」と「答えを教えないタイプ」

教え方がうまい人のタイプには2つある。「答えを教えるタイプ」と「答えを教えないタイプ」だ。
「答えを教えるタイプ」は「こうしろ」とハッキリ伝え、教わる側がその通りにやると結果が出る。ただし、そのカリスマ的な指導者がいなくなってしまえば、教わる側の伸びは止まってしまう。
一方、「答えを教えないタイプ」は、答えの代わりにヒントを与えたり、場合によっては「知らない」と言うだけでヒントすら与えないこともある。その結果、自分で考える「自律自走型の人材」が育まれることになる。これができれば、指導される側は指導者に依存・従属することなく、自らうまくいくための方法やルールを編み出し、動力となるエネルギーも自分で調達できるようになるだろう。
では、そうなるにはどうしたらいいのだろうか。この場合、「何をしたらよいか」よりも、一見「何もしていない」と思われるような「引き算が上手な教え方」を習得する必要がある。
その教材として優れているのが、人気マンガの『アオアシ』だ。『アオアシ』はプロサッカークラブのユース(高校年代の育成部門)が舞台となっており、主人公の青井葦人(以下、アシト)が、荒削りながらも試行錯誤を繰り返し成長していくストーリーである。その成長を促す主要人物が、ユース監督の福田達也だ。
福田の教え方を象徴する台詞に、このようなものがある。
「みなまで言わねえよ。手ほどきはしてやるが、答えは自分で見つけるもんだ。ハッキリこうと教えられるよりも、自分でつかんだ答えなら、一生忘れない」
福田の言動は、一見何もしていないように見えるが、実際には緻密な設計に基づいている。その設計は、「お題設計アプローチ」「1対n対nの実践コミュニティ」「愚者風リーダーシップ」の3つに整理することができる。
お題設計アプローチ「個の育成編」
「答えを教えるタイプ」は、お手本を見せて反復練習させ、逐一フィードバックしながら言った通りにできるまで教え込む。サッカーでいえば次のようなかたちである。
「軸足はボールの真横10センチくらいのところに踏み込んで、蹴り足はこう振りかぶって、足のこの部分でボールのこの辺りをミートし、フォロースルーはこうしなさい」
これに対して、「お題」を与えるやり方はこのようになる。




















