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教養としての三菱・三井・住友の表紙

教養としての三菱・三井・住友

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本書の要点

  • 三菱の原点は、海運業で活躍した岩崎弥太郎という人物にある。国家戦略と結びつきながら成長したが、戦後の財閥解体を経て、「三菱金曜会」を通じて再び結束しはじめた。

  • 江戸時代の呉服屋に起源を持つのが三井グループである。番頭が大きな権限を持ち、戦後も自立分散型の経営色が強く残った。

  • 住友政友は武士や僧侶としての経歴を持っていた。住友家は別子銅山の経営で頭角を現していった。合理的な経営と「家訓」を重視する点が住友グループの特徴である。

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三菱グループ

その繁栄は国家と共にあった

岩崎弥太郎という一人の男から三菱の歴史は始まった。現在の高知県にあたる土佐藩の下級武士の家に生まれた弥太郎は、海運業に関わったことでその才能を遺憾なく発揮した。岩崎は「三菱商会」の社主に就任し、これが三菱グループの出発点となる。

三菱商会は明治政府との強いつながりによって発展し、西南戦争の際には兵員や物資輸送といった兵站部門で活躍し、大きな利益を上げていた。三菱は岩崎家のリーダーシップのもと、鉱業、造船、銀行、保険、製紙などを担う日本を代表する財閥へと成長していく。

大正から昭和初期にかけ、近代日本は「富国強兵」や「殖産興業」を掲げて近代化を進めていった。こうした国家戦略において重要な分野を担っていたのが三菱である。造船、鉱業、金融といった分野で強い存在感を放ち、日本が誇る海軍力を下支えしていた。金融や経済インフラにも深く関わっていた三菱は、国家と民間の境界があいまいな存在として特権的な立場を築いていく。これは「官商一体」と呼ばれ、三菱は政策決定に強い影響力を持っていたのである。こうしたあり方は「組織の三菱」という企業風土をつくり上げていった。

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要約公開日 2026.06.07
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