Inclusive Talent Management
How Business Can Thrive in an Age of Diversity

未 読
Inclusive Talent Management
ジャンル
著者
Stephen Frost Danny Kalman
出版社
出版日
2016年07月28日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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Inclusive Talent Management
How Business Can Thrive in an Age of Diversity
著者
Stephen Frost Danny Kalman
未 読
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出版社
定価
0円 (税抜)
出版日
2016年07月28日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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レビュー

職場において標榜される「ダイバーシティ」(多様性)は、退屈かつ不誠実なスローガンであることがほとんどだ。それぞれの持つ「違い」を強調するだけの、たんなる厳格なコンプライアンスにしかなっていないからである。こうした対処療法的なアプローチは面白くないばかりか、最悪の場合、差別をもたらしてしまうことすらある。

本書は、私たちが自分と違う人たちに対してバイアスを持ってしまう要因を徹底的に調べたあと、ダイバーシティの歴史を紐解き、現代社会においてダイバーシティのある組織がいかに必要とされているのかを明らかにする。そして、ダイバーシティにおける新しいパラダイムを提示する。

本書でも特に重要なのが、「ダイバーシティは『インクルージョン』(包含性)という概念に組み込まれることで、個人の力を超えて幅広い恩恵をもたらしてくれる」という主張だ。実際、彼らの提唱する包含的人材マネジメント(ITM:Inclusive Talent Management)がうまく機能すれば、組織がこれ以上「グループ思考」の落とし穴に陥ることはなくなるだろう。そしてそれは、変化の激しいこの世界において、組織の地位を高めてくれるにちがいない。

著者が私たちに求めるのは、自分たちのもつバイアスを正直に明かすことだ。60を超える組織で働く人々へのインタビューを通じてダイバーシティを捉え直し、インクルージョンを促進するためのツールとインスピレーションを提供してくれる快著である。(クリス・モリソン/石渡翔訳)

クリス・モリソン

著者

スティーブン・フロスト (Stephen Frost)
包含的な意思決定に関する専門家であり、ロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会では、ダイバーシティとインクルージョンに関する部門のトップを務めた。オックスフォード大学ハートフォード・カレッジおよびハーバード大学卒業(フルブライト奨学生)。これまで数多くの賞を獲得しており、そのなかには平等とダイバーシティの向上に貢献したものに贈られる、ピーター・ロバートソン賞(2010年)も含まれている。

ダニー・カルマン (Danny Kalman)
21年以上勤務していたパナソニック株式会社にて、グローバル人事部門のディレクターを務めた経験があり、現在は自ら立ち上げた人材マネジメント・コンサルティング会社を経営している。ICF認定のエグゼクティブコーチであり、デロイト・トウシュ・トーマツをはじめとした有名企業のアドバイザーを務めている。また、人材マネジメントやリーダーシップをテーマに、定期的な講演活動を行なっている。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間は同一性を求める根源的な欲求をもっている。しかし、世界的な人口移動やテクノロジーの発達、社会的期待の変化を踏まえると、組織が生き残るためにはダイバーシティが必要不可欠である。
  • 要点
    2
    どの組織も、ある程度のダイバーシティはもっている。だが、それをたんなるゼロサム・ゲームにせず、誰もが得するものにするには、「インクルージョン3.0」へのレベルアップが必要だ。
  • 要点
    3
    透明性の確保や継続的な向上を通してはじめて、リーダーは個々の力を高め、組織を集合体として強化できるようになる。

要約

同一的人材マネジメントが抱える問題

「同じである」という中毒
Creatas/Creatas/Thinkstock

ほとんどの人は、自分が「ダイバーシティ」(多様性)のもつ価値を理解していると考えている。しかし実際のところ、人間は同一であることを好む。そのほうが心地よいからだ。実際、私たちは自然に、自分と似たような人間を高く評価してしまう傾向をもっている。

このことは特に、マネージャーや人事担当者にとって問題になる。なぜなら、人は自分を基準にして、他者を雇用したり推薦したりしてしまうものだからだ。このような「同一性人材マネジメント」(Homogenous talent management: HTM)では、同じタイプの人ばかり集まることになってしまう。

また、マネージャーを雇用する際も、「客観性」という幻想のもとに、実際はバイアスにまみれた決断が下されている。見た目が異なっていたり、外国籍を思わせる名前だったりすると、その会社の文化に「フィット」しないと見なされ、選択肢から除外されてしまうのだ。

同一性人材マネジメントが横行している環境では、より能力は高いと思われるものの、どこかが異なっている人を起用することは「リスク」と捉えられる。しかしながら、初歩的な生物学が示しているように、多様性の欠如は絶滅のためのレシピなのだ。

ダイバーシティがもたらす危険性と本当の効果

『種の起源』のなかでダーウィンは、生命が生きのびるためには多様性が欠かせないと指摘した。現代の研究でも、多様性に富んでいる農地のほうが、そうではない農地よりも生産量は高いと言われている。企業の生産プロセスにおいても、これと同様のことが言えよう。

同一的な戦略を追い求めることや、そのような戦略への批判を封じ込めることは、リーマンショックに始まる、2008年のような経済危機をもたらしかねない。この種の「集団思考」はレジリエンスを低下させ、リスクに直面する危険性を高めてしまう。

ダイバーシティは、組織レベルにおいても個人レベルにおいても、重要視されてしかるべきである。著者たちはこの点について端的に、以下のように言い表した。「ダイバーシティというのは生産性をもたらす主要原材料だ。多様な人材にアクセスできる企業だけが、これからも競争力を保ちつづけ、繁栄できる」。

ダイバーシティは無限である
Rawpixel/iStock/Thinkstock

集団のなかのダイバーシティは、卓越した個人よりも重要だ。だが、多くの組織はダイバーシティを、たんなるジェンダーや人種を反映したものとしか扱っていない。

ダイバーシティは、人種や宗教、年齢、障害、性格、性差など、いくつもの要素が重なったうえで成り立つ。より深いレベルまで掘り下げるなら、DNAや社会経験、人生経験も、ダイバーシティの中に含まれてしかるべきだ。

この点に関する著者たちの見解は単純明快である。

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生産性・時間管理 リーダーシップ・マネジメント 人事 グローバル
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Stephen Frost Danny Kalman
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2016年07月28日
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