コミュニケーションのズレをなくす「基本質問×神質問」
「神質問」の効能

社会人になって間もないビジネスパーソンの多くは、意図せず誤解を招いてトラブルに発展したり、相手から必要な情報を引き出せなかったり、自分の考えが十分に伝わらなかったりといった、コミュニケーション上のズレを一度は経験するものである。ここでは、社会人半年目の小林くんと、社会人5年目の先輩とのやり取りを例に見てみよう。
先輩:小林くん、取引先から「先日頼んだ資料が送られてこない」って苦情の電話がきたんだけど。
後輩:えっ、僕、ちゃんと「来週でいいですか?」と確認しましたよ。そしたら、「来週でいい」って言われたから、金曜までに送ればいいかって思って。
先輩:それは聞き方がまずいよ。「来週」ってざっくりした聞き方だと、ざっくりした答えで返ってくるよね。小林くんは金曜までって思っていても、川村さんは月曜の朝までって考えていたんだよ。今日はもう水曜だし。
後輩:「来週の金曜まででいいですか?」と聞けばよかったんですね。
先輩:それでも相手は答えてくれるけど、「いつまでにお渡ししましょうか? 来週金曜の午前10時を目処に考えていますが、それよりも早くお手元にあるほうがいいですか?」と聞いたほうが、相手は気持ちよく答えてくれると思うよ。
このようなコミュニケーションのズレが生じるのは、私たち一人一人の脳が、それぞれ異なるOSと独自にインストールされた無数のアプリケーションによって動いているためである。認知心理学では、この思考の枠組みを「スキーマ」と呼ぶ。
スキーマの断絶を乗り越え、相手の思考の深層に潜む本音や前提条件を引き出す技術が「神質問」である。「神質問」には、次のような効果が期待できる。
・相手の思考負荷を抑え、回答しやすくする。
・相手の本音や隠れた前提を引き出す。
・相手の行動や思考を、こちらが望む方向へと導く。




















