起業家の思考法

「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法
未読
起業家の思考法
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「別解力」で圧倒的成果を生む問題発見・解決・実践の技法
著者
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起業家の思考法
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出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2022年03月09日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「別解力」という言葉をお聞きになったことはあるだろうか。

ある問題や課題において「他の人が思いつく方法(=正解)」に対し、それを上回る「自分だけの打ち手(=別解)」を考える力のことだ。本書の著者、株式会社じげんCEOの平尾丈氏が考案し、広めている考え方である。

平尾氏は慶應大学卒業後にリクルートへ入社、23歳でじげんの前身となる会社を設立、25歳で社長となり、30歳で東証マザーズ、35歳で東証一部への上場を果たした。創業から12期連続で増収増益も成し遂げるなど、気鋭の経営者として注目されている。

高校生のときに起業を志し、大学在学中に実際に起業し、著名な企業経営者の指導を仰ぎながら、起業家としての地歩を固めてきた。そうした積年の経験とノウハウを凝縮したのが本書だ。変化が激しく不確実性が高く「正解がない時代」を生き抜くための書と位置付けられている。

本書が説く「起業家の思考法」は、核となる「別解力」をはじめ、解くべき問題を見つける「発見力」、「実現力」、「失敗力」、「成長力」の五つの力から成る。本書の構成もそれぞれの力に分けて章立てされ、身につけるべき思考力、スキルを順序立てて学べ、実践的だ。

「誰もが思いつく実現可能な選択肢を選ぶだけでは人が無価値になる時代がやって来る」と危機感をあらわにする平尾氏。一方、「別解は難しいものではなく、本気で取り組めば実現可能だ」と強調する。「天才じゃなくても成功できるちょっとした秘訣」と謳った本書、その要諦をぜひ学び取っていただきたい。

著者

平尾丈(ひらお じょう)
株式会社じげん代表取締役社長執行役員CEO
1982年生まれ。2005年慶應義塾大学環境情報学部卒業。東京都中小企業振興公社主催、学生起業家選手権で優秀賞受賞。大学在学中に2社を創業し、1社を経営したまま、2005年リクルート入社。新人として参加した新規事業コンテストNewRINGで複数入賞。インターネットマーケティング局にて、NewValueCreationを受賞。
2006年じげんの前身となる企業を設立し、23歳で取締役となる。25歳で代表取締役社長に就任、27歳でMBOを経て独立。2013年30歳で東証マザーズ上場、2018年には35歳で東証一部へ市場変更。創業以来、12期連続で増収増益を達成。2021年3月期の連結売上高は125億円、従業員数は700名を超える。
2011年孫正義後継者選定プログラム:ソフトバンクアカデミア外部1期生に抜擢。2011年より9年連続で「日本テクノロジーFast50」にランキング(国内最多)。2012年より8年連続で日本における「働きがいのある会社」(GreatPlacetoWorkInstituteJapan)にランキング。2013年「EYEntrepreneurOftheYear2013Japan」チャレンジングスピリット部門大賞受賞。2014年AERA「日本を突破する100人」に選出。2018年より2年連続で「ForbesAsia's200BestUnderABillion」に選出。
単著として本書が初の著書。

本書の要点

  • 要点
    1
    起業家の思考法は「発見力」「別解力」「実現力」「失敗力」「成長力」の五つの力で構成される。
  • 要点
    2
    別解は、「自分らしいやり方」、「優れたやり方」、「別のやり方」の三つが揃ってはじめて実現する。中でも「別のやり方」が別解力の要となる。

要約

正解がない時代の「起業家の思考法」

正解ではなく、別解を目指す

ビジネスにおいて、絶対に成果が出る正解というのは、もはや幻想だ。「誰もが思いつく実現可能な選択肢」を選ぶだけでは、人が無価値になる時代がやって来るだろう。その傾向は、さらなる情報化の進展やSNSの普及、AI化などによって、拍車がかかっていくはずだ。

一方、日本の市場を目指す海外企業は増えている。今後、さらにグローバルな競争が激しくなる。

誰もが到達し得る正解を出しても競争には勝てない。誰もやらないような創造的な打ち手を繰り出さなければ、勝負にならない。たとえ正解で勝ったとしても、価値を維持できず、一瞬のうちに実像が虚像になる。正解は幻だ。

これからは、正解を出すことに頭を使うのではなく、自分の答えを考えるために頭を使うことが求められる。自分の答えを正解にする力、問いを発見する力、誰も思いつかない他の方法論を考える力に長けた人が生き残る時代だ。問題を自分で見つけ、自分なりの答えを生み出し、検証する力が必要となる。

「個性のある答え」があふれる世界のほうが豊かだ。イノベーションは多様性から生まれる。個々人独自の観点で問題を発見し、答えを考えたほうが、突然変異は格段に生まれやすい。つまり、イノベーションは「別解」から生まれる。

別解力でできること
gearstd/gettyimages

別解は、大勢が考えつくこととは「別のこと」であるため、そもそも個性、オリジナリティの要素が出る。結果を生み出すプロセスだけでも自分の個性が発揮できる。

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要約公開日 2022.04.10
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