デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか

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デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか
出版社
定価
990円(税込)
出版日
2023年11月29日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

アンデルセンで有名な、北欧の一国デンマーク。最近では「心地がいい」を意味するデンマーク語「ヒュッゲ」も知られるようになり、2023年の世界幸福度ランキングではフィンランドに次ぐ2位につけた。

そんな「幸せの国」デンマークの職場では、役職にかかわらず誰もが午後4時には仕事を終え、帰宅するのが当たり前だそうだ。羨ましくある反面、「それで仕事が回るのだろうか?」と心配にもなる。だがそれには及ばず、デンマークはビジネスの国際競争力ランキングで、2022年から2年連続で世界1位を獲得しているという。一体全体、どうしたらそんな“ウルトラC”が実現するのだろうか?

その秘密を解き明かしたのが本書である。著者の針貝有佳さんは、大学院でデンマーク研究をした後にデンマークへ移住し、13年以上にわたり現地情報を発信している。本書では、著者が実際に体験し、見聞きしてきた「デンマークのリアルな姿」を伝えてくれる。

個人の幸せと仕事の成果を両立するキーワードは「生産性」にある。日本でも「タイパ」をはじめ、生産性の向上に関心が寄せられている。だが、デンマークのタイパは単に仕事を効率化するのではなく、あくまで個々の「幸せ」がベースにあり、それを実現するための手段なのである。

高レベルのワークライフバランスを実現しているデンマーク人の働き方は、私たち日本人にも参考にできる部分が多い。豊かに生きるための指針を、ぜひ本書で見つけてほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

針貝有佳(はりかい ゆか)
デンマーク文化研究家
デンマーク在住。1982年生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科にてデンマークの労働市場政策「フレキシキュリティ・モデル」を研究して修士号取得。2009年末にデンマーク移住後、13年以上にわたってテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・ウェブ等からデンマークの現地情報を発信。社会学的アプローチで社会を観察し、デンマーク語で現地の第一次情報にアクセスし、情報・世論・市民の声を届ける。執筆記事400以上、企業向けのレポート制作300以上。『北欧のあたたかな暮らし 小さな愉しみ』(共著、学研)、『アフターコロナのニュービジネス大全』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)等、書籍協力多数。『サタデーステーション』『ビートたけしのTVタックル』『ミヤネ屋』等に取材協力・出演。サントリーやパナソニックなどの企業向け講演のほか、時代に新風を吹き込むクリエイターのコンテンツ制作・PRサポートも手がける。

本書の要点

  • 要点
    1
    デンマークは「幸福度の高い国」であるのと同時に、国際競争力ランキング世界1位の「ビジネス先進国」だ。デンマーク人は豊かな「ライフ」と仕事の「成果」を両立している。
  • 要点
    2
    デンマーク人は午後4時までに仕事を終わらせて帰宅する。勤務時間中は仕事に集中し、効率よく片付けていく。
  • 要点
    3
    タイパを高める働き方のポイントは「仕事の付き合いはしない、させない」「意思決定に関わる人数を減らす」「ダブルチェックをしない」「退社時間を決める」などである。
  • 要点
    4
    デンマークの組織では、相互の「信頼」に基づいたマクロマネジメントが行われている。

要約

幸福なビジネス先進国・デンマーク

素敵な矛盾に満ちた国

世界トップクラスの「幸福度の高い国」デンマーク。おしゃれな北欧雑貨やメルヘンな街並み、充実した福祉制度、そして心地よさを意味する言葉「ヒュッゲ」など、デンマークは「豊かで幸せな国」というイメージがあるのではないだろうか。しかし、これはほんの一面である。

実はデンマークはIMD(国際経営開発研究所)の調査において、2022年、2023年と2年連続で「国際競争力」世界1位に選ばれている。(日本は2022年が34位、2023年は35位であった。)

国際競争力ランキングは「経済状況」「政府の効率性」「ビジネス効率性」「インフラ」の4つのカテゴリーから評価されるが、デンマークは「ビジネス効率性」で4年連続1位を獲得している。(2023年の日本の「ビジネス効率性」は47位。)デンマーク産業連盟のアラン・ソーレンセンは、デンマークの高い国際競争力は「状況変化に対する企業の迅速な対応力、モチベーションの高い社員、高度なDX」によるものだと指摘する。つまり、デンマーク人は「時代のニーズを読み取り変化に対応する力がある」といえる。

ふだんはのんびりしているデンマーク人だが、いざ変化が起こったときは驚くような機動力を発揮する。「幸福な国」デンマークは、実はすごい「ビジネス先進国」なのである。

古いシステムを切り捨てる大胆さ
Cecilie_Arcurs/gettyimages

デンマークは「デジタル競争力」も群を抜く。電子政府ランキングでは2018年から3年連続ナンバーワン、そしてデジタル競争力ランキングは2022年に1位を獲得している。

デンマークはキャッシュレス社会であり、どこでもカード払いもしくはスマホ払いができる。最近では「カードレス化」も進んでおり、健康保険証や運転免許証の提示など、本人確認もスマホのアプリで対応している。

日本でもキャッシュレス化が進んでいるが、デンマークとは決定的な違いがある。それは、先進技術を取り入れる際、デンマークは古いシステムをバッサリと切り捨てるところである。

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要約公開日 2024.02.12
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