東京大学の伴らによる研究では、「時計の針の動きを速めると、作業の量的質的効率が向上する」と報告されている。
実験では、キーボードを見ずに入力できる21~24歳の被験者6人に、以下の3条件のもとで30分間の文章入力作業を行わせた。
条件(1)時計の運針速度を3分の2倍に遅くする
条件(2)時計の運針速度を変えない
条件(3)時計の運針速度を1.5倍に速める
結果として、入力文字数は条件3が最も多く、次いで条件2、条件1の順だった。これは時計の速度変化に気づいていなくても同様で、疲労度やリラックス度にも影響はなかった。
作業への集中度を高めたいなら、針の動きが調整可能な時計を活用してみるとよいだろう。
イリノイ州立大学のアリガとレラスの研究によれば、作業を続けるうちに注意力が切れるのは「疲れるから」ではなく、「この作業をがんばろうという目標そのものを脳が徐々に忘れていくから」であることが実証されている。さらに、ときどき別の作業を挟むことで、脳が元の目標を思い出し、集中が持続することも明らかになっている。
たとえば、資料を作るときには、途中でメール確認やメモ整理といった軽い作業を挟むことで、集中力が続きやすくなるだろう。
誰かに何かを説明するときにも、ただ話し続けるのではなく、「いまの内容を3秒で要約してみよう」や「手元のメモを見直してみて」と別の作業を挟むとよい。
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