「伝える前」が9割

言いたいことが最短で伝わる!「紙1枚」下書き術
未読
「伝える前」が9割
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言いたいことが最短で伝わる!「紙1枚」下書き術
未読
「伝える前」が9割
出版社
出版日
2023年09月26日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

口下手な人は日頃から、「話さないですむなら話したくない」と思っているのではないだろうか。要約者もどちらかというと聞き手に回りたいタイプだが、仕事の関係上、どうしても避けられない時もある。先日も展示会で新商品の説明をする機会があったが、絶え間なく続く人とのやり取りに疲れ切ってしまった。

本書はそんな、コミュニケーションに苦手意識を持つ人たちのために届ける「コミュニケーションの極意集」である。著者は「紙1枚」シリーズで人気の浅田すぐる氏だ。いまでこそ多くの講演をこなすなど、多方面で活躍しているが、著者曰く「子どもの頃から内気で、親の後ろに隠れてしまうような子だった」という。そんな「内向的」を自認する著者が考え出したのが、「紙1枚」を使った「伝える前」の準備である。

無理に社交的になろうとしなくても、伝える前にほんの少し思考の整理をするだけで、自信を持ってコミュニケーションがとれるという。人ではなく「紙1枚」と向き合うのなら、「内気な自分にだってできそうだ」と思わされる。

本書は著者にとって10冊目の著書であり、肝いりの一冊だ。著者のプライベートなエピソードや多彩な事例が盛り込まれ、読む者を飽きさせない。そして何より、「話し下手」な人に寄り添ってくれる数々の提案は、日々コミュニケーションに悩む人を勇気づけてくれる。

もしあなたが「できるだけ話さないですませたい」なら、この本がぴったりだと断言する。

ライター画像
Keisuke Yasuda

著者

浅田すぐる(あさだ すぐる)
「1枚」ワークス株式会社代表取締役。「1枚」アカデミア・プリンシパル。動画学習コミュニティ「イチラボ」主宰。作家・社会人教育のプロフェッショナル。名古屋市出身。旭丘高校、立命館大学卒。トヨタ自動車入社後、海外営業部門に従事。同社の「紙1枚」仕事術を修得・実践。米国勤務などを経験したのち、グロービスへの転職を経て独立。現在は社会人教育のフィールドで、書籍・セミナーなどを通じビジネスパーソンの学習を支援。もともとは苦手だったコミュニケーションを改善・向上させた独自の手法が共感を呼び、著書累計発行部数は55万部以上。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手に伝わるように伝えるには、「見せて」伝えることが重要だ。
  • 要点
    2
    「紙1枚」フレームワークは、伝える前の思考整理にも使える。1枚の紙を4×4に区切り、(1)テーマを書く、(2)テーマに関するキーワードを書く、(3)キーワードをつないでまとめる、のステップで行う。
  • 要点
    3
    伝える前のアプローチには「思考・理解(ロゴス)」「感情・共感(パトス)」「意志・信頼感(エトス)」の3つがある。
  • 要点
    4
    相手の知らないことを説明する時は、「相手の既知」に照らし合わせて伝えるといい。
  • 要点
    5
    心に響く伝え方をしたい時は、感情を揺さぶる「物語」を活用しよう。

要約

【必読ポイント!】話さなくても伝わる技術

「伝えたくない、でも伝わってほしい」

「できるだけ話さないですませたい」。それがコミュニケーションについて、著者が根本で抱いているモチベーションである。著者は子どもの頃から社交が苦手で、大人になっても性格診断をするといつも「内向的」という結果が出るほどだった。

本書は、伝えることに苦手意識を持つ人のための「コミュニケーションの極意集」だ。「できるだけ話さないですませたい」と密かに思いながらも、「社会人としてそんなことではいけない」と無理して頑張っている人は多い。

そういった本音はあるが、「人は独りで生きていけない」というのもまた事実である。だからこそ「伝える力」を簡単に諦めてはいけない。内向的だからといって、すべてを自己完結していては人生もキャリアも詰んでしまう。

「伝えたくない、でも伝わってほしい」という相反する想いを叶えるにはどうしたらいいか。本書ではその極意をお伝えする。

伝える前に「見せるもの」を用意する

「伝える」と「伝わる」は1文字しか違わないが、どうすれば一致する「伝え方」ができるだろうか。その答えは、「見せて」伝えるである。

たとえば「道案内」をする時、地図があるとないとでは、伝えやすさはまったく違うのではないだろうか。口頭だけでは聞く側も話す側も伝えづらいが、「地図」を1枚介するだけで、伝わる度合いはグンとアップする。

ビジネスコミュニケーションにおいても、この「見せる」動作は伝え方の基本である。それが最も短時間で効率的で、かつ相手の時間を奪わないですむからだ。

見せたらわかるトヨタ式「紙1枚」
書籍P.31 より引用

「見せる」ためには、何か見せられるものを用意しなければならない。そのキーワードは「トヨタ」である。

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要約公開日 2024.02.28
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