正しい答えを導く質問力
正しい答えを導く質問力
NEW
正しい答えを導く質問力
出版社
かんき出版

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出版日
2025年10月06日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

上司への報連相、部下への指導、商談でのヒアリング――どんな場面でも、「うまくいく人」と「空回りする人」を分けるのは「質問の質」である。本書はその事実とともに、「質問の質」を高める実践的なノウハウを教えてくれる一冊だ。

著者の山口拓朗氏は、27年にわたり3,800件以上の取材・インタビューを重ねてきたプロフェッショナルである。著書も多く、代表作の『「うまく言葉にできない」がなくなる言語化大全』は10万部突破のベストセラーだ。

本書の冒頭で山口氏は、「質問力と仕事力は、密接に関連しています」と断言する。いい質問をするには、状況や情報を正確に把握し、物事の本質を捉える必要があるからだ。だからこそ「質問力を磨くことは、そのまま仕事力を磨くことにつながるのです」と述べている。

本書では、公私問わず、さまざまなシーンで使える質問のテンプレートが数多く紹介される。ミス・トラブル時の「原因分析型」や自分の頭で考えさせる「思考促進型」など、部下や後輩の育成に直結するものも多い。また、質問のテンプレートから逆算して話を組み立てることで、報連相や説明をより的確なものにするという手法も紹介されている。

コミュニケーションに苦手意識がある人や部下指導に悩むマネジャー、相手から必要な情報をうまく引き出したい営業パーソンはもちろん、仕事力を磨きたいすべての人に読んでほしい。質問力が大幅に向上し、コミュニケーションに自信が持てるようになるはずだ。

著者

山口拓朗(やまぐち たくろう)
伝える力【話す・書く】研究所所長/インタビュアー/山口拓朗ライティングサロン主宰
出版社で編集者・記者を務めたのちライター&インタビュアーとして独立。年齢、性別、職種を問わず、27年間で3800件以上の取材・インタビュー歴がある。現在は執筆や研修を通じて「言語化」「質問力」「文章力」「読解力」「要約力」「傾聴力」など実践的なビジネススキルを提供。ビジネスパーソンを中心に1万人以上への指導経験がある。2016年からアクティブフォロワー数400万人の中国企業「行動派」に招聘され、北京ほか6都市で「Super Writer養成講座」を23期開催。中学2年生にもわかる言葉で解説する丁寧な語り口に定評がある。
著書は10万部突破のベストセラー書籍『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)ほか、『世界一ラクにスラスラ書ける文章講座』(かんき出版)、『読解力は最強の知性である 頭のいい人の1%の本質を一瞬でつかむ技術』(SBクリエイティプ)、『9割捨てて10倍伝わる「要約力」』(日本実業出版社)、『思い通りに速く書ける人の文章のスゴ技BEST100』(明日香出版社)など33冊。中国、台湾、韓国、タイなど海外でも20冊以上が翻訳されている。NHK「あさイチ」ほかメディア出演多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    質問力と仕事力は密接に関係している。
  • 要点
    2
    「質問テンプレート」を使えば、伝える力と聞き出す力が同時に高まる。
  • 要点
    3
    ミスやトラブルを学びに転換し、再発を防ぎ、組織や個人の成長へとつなげるために有効なのが「原因分析型」の質問テンプレートだ。このテンプレートは、問題の原因・原因の背景・この問題から得た学び・再発防止策を問う4つの質問で構成されている。
  • 要点
    4
    失注や解約の理由を明らかにしたいなら、核心に迫る質問・弱点を言語化する質問・本音を引き出す質問・視点を変える質問によって構成される「あぶり出し質問」が有効だ。

要約

質問が変われば、仕事が変わる

「できる人」は質問がうまい
b-bee/gettyimages

質問の仕方や内容を見れば、その人の仕事のレベルはおおよそ判断できるものだ。「この段階でその質問?普段の仕事も雑そうだな」と思われる人もいれば、「この場面でこの質問が出るとは、見込みがある」と一目置かれる人もいる。

実際、質問力と仕事力は密接に関係している。いい質問をするには、状況や情報を正確に把握し、物事の本質を捉える力が欠かせないからだ。

質問力の高い人には、共通する4つの要素がある。

1つ目は、主体的・能動的であること。自ら問いを立て、疑問点を積極的に解消し、学びや気づきを得ていく。質問を通じて視野を広げ、知識や価値観を絶えずアップデートしているのも、質問力の高い人の特長である。

2つ目は、状況や文脈の把握力が高いこと。全体の流れや現在地を把握しているからこそ、必要な情報を的確に引き出す質問ができるのだ。

3つ目は、目的が明確であること。質問力の高い人は常に「何を得たいのか」「それを得てどう活かすのか」という意図を明確に持っている。

4つ目は、簡潔かつ論理的であること。言葉にムダがなく、要点が明瞭で、相手が答えやすいように構成や表現にも配慮している。

これら4つの特徴は、そのまま「仕事ができる人の特徴」と重なる。つまり、質問力を磨くことは、仕事力を高めることに直結するのだ。

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要約公開日 2025.11.13
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