人生に、上下も勝ち負けもありません。の表紙

人生に、上下も勝ち負けもありません。

焦りや不安がどうでもよくなる「老子の言葉」


本書の要点

  • まわりの動向が気になるときは、「鏡の思考」で自分のことだけを見るようにしよう。他人と自分を比べて「勝った」「負けた」と右往左往するのではなく、自分自身と競い合うのだ。

  • みんなから「すごい」と言われる人を羨ましく思ったら、「昆布の思考」で考えてみてほしい。本当にすごい人はアピールなどしないし、そもそもあなたが日々やっていることは必ず人の役に立っている。

  • 自分のがんばりを認めてもらえていないと感じたら、「太陽の思考」の出番だ。あなたのがんばりはお天道様が見ている。純粋に「自分が好きな自分」として振る舞っていればいい。

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【必読ポイント!】 つい、人と比較してしまうときの処方箋

他人が気になったら――鏡の思考

誰しも、勝ち負けにこだわりすぎると疲れてしまうものだ。「つい、あの人の動向が気になってしまう」「あの人が活躍している姿を見ると、微妙に心がザワザワする」ときには、「鏡」のことを考えてみてほしい。つまり、自分のことだけを見るようにするのだ。

老子の言葉に「人に勝つ者は力有り。自ら勝つ者は強し」というものがある。これは「人に勝つ人というのは力(権力、経済力、腕力)がある。しかし、本当に強いのは、『自分の弱さに勝つ人』だ」といった意味合いだ。

他人に勝つよりずっとむずかしいのは自分に勝つことだ。自分の弱さを見つめ、自分の置かれた状況を知り、それに不満を持たず、欲を出すこともない。老子によると、これができる人こそ、真に強い人だ。

「そうは言っても、やっぱり社会では他人に勝たないと始まらないよ」と思う方もいるだろう。だが、必ずしも競争に参加する必要はない。今後の人生を誰かと競いながら過ごすかどうか、いま一度、自分に問いかけてみてほしい。

そもそも「勝ち負け」という概念自体があやしいものだ。負けがあるから勝ちがあるし、勝ちがあるから負けがある。どちらもなければ、ただ自然な状態があるだけだ。

他人と自分を比べて「勝った」「負けた」と右往左往する前に、鏡を出して自分の顔をまっすぐ見つめてみてほしい。競い合うべき相手はあなた自身だ。

人を妬ましく思ったら――足湯の思考

CandyRetriever/gettyimages

誰かの成功に焦ったり、嫉んだり、自分を情けなく感じたりしたときは「足湯」のことを考えてみてほしい。足湯は低い位置にあるが、それでも人がどんどん集まってくる。

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要約公開日 2024.12.31
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