疲労学の表紙

疲労学

毎日がんばるあなたのための


本書の要点

  • 私たちの生活サイクルは「活動→疲労→休養」という三角形で捉えられる。ここに「活力を高める活動」を加えて「活力→活動→疲労→休養」の四角形サイクルにすることで、自分の「バッテリー」を効率的に回復できる。活力を高めるには、あえて軽い肉体的・精神的負荷をかけることが有効だ。

  • 「攻めの休養」で効果的に回復し、「抑疲労」で体力の消耗を抑えることで、より安定したコンディションを維持できる。抑疲労には、疲れを抑える行動、疲労を少なくする思考法、そして疲れにくい体をつくる食事法という3つのアプローチがある。

1 / 4

【必読ポイント!】 「抑疲労」という考え方

陥りがちな「負の三角形サイクル」

東洋経済新報社提供

疲労の視点からいうと、私たちの生活サイクルは次のように整理できる。

仕事や勉強、家事、介護、育児などの行動をする(1:活動)。これらの活動により、活動能力が低下し、疲れる(2:疲労)。疲れを感じたら休む(3:休養)。そして翌日、再び活動へ戻る――「活動→疲労→休養」という三角形のサイクルだ。

活動して疲労が進むにつれ、私たちの電池の残量は減少する。ハードワークだった日には、0%近くまで減ることもあるだろう。それが休養によって100%まで充電され、翌朝再び活動に戻れるなら、三角形のサイクルは健全に機能している。これが“正の三角形サイクル”だ。

ところが多くの人は、電池を十分に充電しないまま次の活動に入ってしまっている。結果として、どんどん疲労が積み重なる“負の三角形サイクル”にはまり込んでいく。

フル充電するには「活力」が不可欠

東洋経済新報社提供

どうすれば私たちの電池をフル充電状態にもっていけるのだろうか。著者が研究する「休養学」では、つぎの活動に移る前に、疲労を打ち消す要素である「活力」を取り入れることを提案する。

つまり、仮に休養だけで50%程度しか充電できなくても、活力を加えることでフル充電に近づけていくイメージだ。そのとき、サイクルは三角形ではなく四角形となる。

活力を高めるには、あえて軽い負荷を自らに与えることが有効だ。

まずは、疲労をゼロに近づけるようしっかり休もう。そして、楽になったと感じたら、軽い負荷をかけてみる。その際の負荷は、「自分で決めた」「仕事と無関係」「挑戦によって成長を感じられる」「楽しむ余裕がある」という4つの条件を満たすものでなければならない。

さらに望ましいのは、肉体的負荷と精神的負荷の両方を取り入れることだ。肉体的負荷はウォーキング、ヨガ、ストレッチ、犬の散歩など、自分のペースでできる軽い運動が最適である。一方、精神的負荷は、少し難しい試験に挑戦したり、趣味の分野でコンテストに応募したりといった、ポジティブな負荷がよい。

このように、活力の増強を意識し、積極的かつ主体的に休む休み方を著者は「攻めの休養」と呼ぶ。これはだらだら過ごす「守りの休養」の対極にあるものだ。

活力増強に効く「VATRの法則」

四角形のサイクルは、活動から始まり、疲労し→休養して→活力をあげて→つぎの活動へ、という自然な流れで構成されている。

著者が勧めるのは、この順番を変え、4つ目の「活力」からスタートすることだ。つまり、仕事を終えた瞬間から、翌日に向けて活力を高めるモードへ切り替えるのだ。そうして充電されたバッテリーを、翌日の「活動」で使うイメージである。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3142/4259文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2025.11.26
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

リーダーの否定しない習慣
リーダーの否定しない習慣
林健太郎
「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか
「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか
三宅香帆
カスハラの正体
カスハラの正体
関根眞一
心の中のネガティブさんと上手につきあう方法
心の中のネガティブさんと上手につきあう方法
精神科医Tomy
一流のバーテンダーは2杯目のグラスをどこに置くのか
一流のバーテンダーは2杯目のグラスをどこに置くのか
西沢泰生
なぜか機嫌がいい人がやっている100の習慣
なぜか機嫌がいい人がやっている100の習慣
藤本梨恵子
究極の筋トレ休息法
究極の筋トレ休息法
岡田隆
精神科医が教える 休みベタさんの休み方
精神科医が教える 休みベタさんの休み方
尾林誉史

同じカテゴリーの要約

精神科医が教える 休みベタさんの休み方
精神科医が教える 休みベタさんの休み方
尾林誉史
究極の筋トレ休息法
究極の筋トレ休息法
岡田隆
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
森下克也
休息する技術
休息する技術
菅原道仁
感情的にならない本
感情的にならない本
和田秀樹
休養学
休養学
片野秀樹
歩くとなぜいいか?
歩くとなぜいいか?
大島清
休養ベスト100
休養ベスト100
加藤浩晃
スマホ脳
スマホ脳
アンデシュ・ハンセン久山葉子(訳)
一流の研究者たちが教える 快眠の科学
一流の研究者たちが教える 快眠の科学
伊藤和弘三島和夫(監修)