日本の職場に広がる「対話離れ」
本音で話せる相手は「1人もいない」が過半数

キャリア自律の支援やエンゲージメント向上を目的に、ビジネスの現場で「対話」の重要性が語られるようになって久しい。
しかし現在、日本の職場では、本格的な「対話離れ」が進行している。
著者の調査によれば、上司との面談や会議の場で、40%以上が「全く本音で話していない」と回答している。さらに、職場に本音で話せる相手が「1人もいない」と答えた人は過半数にのぼった。
加えて、上司が部下を叱れなくなっていること、そして部下側の「叱られたくない」という意識が強まっていることも明らかになっている。この「叱れない上司と叱られたくない若手」という構図に、コロナ禍による飲み会の減少やテレワークの普及が重なり、「対話」を取り巻く環境には強い逆風が吹いている。
また、「対話疲れ」という潮流も見逃せない。企業がキャリア・コンサルティングを実施しない理由を調べた厚生労働省の調査では、「労働者からの希望がない」が48.2%と突出して多かった。他の調査からも、制度として「やらされる」「対話」には、戸惑いや不満が蓄積していることが見て取れる。
著者は、「対話を推進したい」派と「対話なんていらない」派、双方の声に耳を傾ける中で、両者が噛み合わない背景には、「コミュニケーション観のすれ違い」があるのではないかと考えるに至った。
人と人とのコミュニケーションや対話をどのように捉え、どのようなイメージを持つのか。本書では、その思考の枠組みを「コミュニケーション・モード」と名づけ、数多くの研究をもとに5つに整理していく。



















