冬の時代を越えて
成長を続けるビットコイン

ビットコインは大きく成長した。2016年末には1BTC(ビットコインの単位)が10万円台の壁を突破して大騒ぎしていたが、2025年7月時点でのレートでは1800万円にものぼっている。ビットコインの成長はとどまるところを知らず、8年程度でこれほどまで伸びた投資先はほとんどない。そんなビットコイン、暗号資産の動向や仕組み、可能性などについて詳しくわかるのが本書である。
ビットコインの価格上昇は、暗号資産市場が成熟した金融資産へと変質したことを意味するのかもしれない。この急激なビットコインの価格上昇には、いくつかの要因が存在する。
第1にブロックチェーン技術や実用的なアプリケーションなどの技術革新、第2に法制度面の整備、第3にマクロ金融市場の変化だ。特に、アメリカにおける暗号資産の環境の変化が重要とされる。
実のところ、2021年からの4年間は暗号資産市場にとって大きな試練だった。なかでも業界を震撼させたのがFTXの破綻である。FTXはサム・バンクマン=フリード(以下、SBF)によって創業された大手暗号資産取引所で、破綻する前は世界第2位の規模だった。SBFは目を引くマーケティングなどで急成長し、暗号資産業界では注目の的となっていた。慈善活動にも力を入れ、多くの人が彼を「若くて社会的責任感のある経営者」とみていた。
しかし、FTXがその裏でユーザーの資産を無断で使って巨額の損失を出していたことが発覚する。しかも、極めてずさんな経理や資金管理をしていたことも明らかとなった。これによりSBFは、計7件で有罪判決となり、25年の懲役刑が言い渡された。彼が「詐欺師」となった瞬間といえるだろう。




















