幸福度世界トップの国の「仕事観」
「休む達人」デンマーク人の働き方

著者が暮らす北欧デンマークの人びとは「休む達人」である。
デンマークは幸福度ランキングで常にトップ3に入る「幸せな国」であり、首都コペンハーゲンはワークライフバランスを実現する都市1位にも選ばれている。
デンマークの人びとは、平日は午後4時に帰宅し、金曜日は午後2~3時に仕事を切り上げ、夏休みには3週間以上の連休を満喫するのが一般的だ。
気候のいい日には、平日でも仕事を早々に切り上げ、芝生やウォーターフロントに寝転んで日光浴を楽しんでいる。秋冬には焚き火や暖炉のまわりに集まり、おしゃべりをしながら「ヒュッゲ」(心地良いひととき)を味わう。
そんなデンマーク人の暮らしは一見するとのんびりしているが、デンマークは国際競争力が高く、ビジネス効率性6年連続トップを記録する「ビジネス先進国」でもある。
休みを満喫しているにもかかわらず、6年連続でビジネス効率性トップを維持できるのはなぜなのか。
その答えは、ゆったり休みを満喫する「にもかかわらず」ビジネス効率が良いのではなく、ゆったり休みを満喫する「ために」限られた時間で効率的に働いているということである。
デンマーク人にとって仕事はあくまで幸せな人生を送るための手段だ。幸せな人生のために「興味関心のあることを仕事にしたい」という意識はあるが、仕事のために人生の喜びを手放すことはない。
デンマーク人が大切にする「ヒュッゲ」
デンマーク人との会話には、たびたび「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉が登場する。これは、「安らぎを感じられる心地良いひととき」を意味する言葉だ。
デンマーク人がよく楽しむヒュッゲには、家族や親しい人を招いてテラスでワイングラスを片手におしゃべり、庭でのバーベキュー、ソファで手作りケーキを囲んでのお茶、森の散歩やピクニックなどがある。仲間と一緒にスポーツを楽しむ、編み物クラブや読書クラブに参加する、子連れで近所のママ会やパパ会に参加しておしゃべりをする、ベビーカーを押して緑豊かな公園を散歩し、四季の移ろいを感じる……これらもまたヒュッゲだ。
要するに、どのような形であれ、自分にとって「心地良いひととき」であればそれがヒュッゲなのである。
デンマークが幸福度ランキングでトップ3に入り続けている理由は、この「ヒュッゲ」にある。安らぎを感じられる心地良いひとときこそが、デンマーク人にとって人生の最優先事項であり、大きな喜びなのだ。
「ヒュッゲ」の時間が何よりのパワーチャージとなり、困難な仕事にも立ち向かうエネルギーになる。だからこそ、1日の中で、1週間の中で、そして1年を通して「ヒュッゲ」を心から楽しむために、まずはヒュッゲの時間をしっかり確保する。そして「ヒュッゲ」を存分に味わうために、限られた時間で仕事の成果を出すのである。




















