プロフェッショナル リーダーシップ

結果を出す意志とスキル
未読
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プロフェッショナル リーダーシップ
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2016年05月05日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

リーダーを取り巻く環境や社会背景は日々刻々と変化している。この変化に対して、リーダーはどのように対応するべきなのか。本書は過去の優れた事例を基にリーダーシップの定義を考察し、リーダーを目指す人へのヒントを提供するものである。

答えのない世界では、リーダーとして周囲をけん引するために必要な決まった要素は存在しない。これまでリーダーに必要だと考えられていた知識や肩書き、成功体験でさえ、役に立たない状況が生まれている。「リーダーのあるべき姿」という理想像は、もはや存在しない。

本書冒頭の大前研一氏の「リーダーシップは教えることはできないが、学ぶことはできる」という言葉のとおり、「プロフェッショナルリーダー」への道筋について、本書内では明確な答えを提示していない。リーダーシップ像を押し付けるのではなく、あなたに問いかけ、思考を深めるきっかけとなる内容となっている。

本書はリーダーシップを自ら見出すための「羅針盤」となってくれるだろう。しかし本書はあくまでも「羅針盤」である。いまあなたが、どこにいるかによって、進むべき方向は異なるし、その方向に向かって歩くのはあなた自身である。本書を読んでも即座にリーダーシップが身につくことはない。しかし、あなたなりのリーダーシップ像を描き、「自分なりの答え」を見出す手助けをしてくれるだろう。

著者

監修者:大前 研一(おおまえ けんいち)
1943年福岡県生。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号、マサチューセッツ工科大学(MIT)大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年に経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社後、本社ディレクター、日本支社長、常務会メンバー、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年に退社。以後も世界の大企業、国家レベルのアドバイザーとして活躍するかたわら、グローバルな視点と大胆な発想による活発な提言を続けている。
1998年4月に株式会社ビジネス・ブレークスルー創業、2005年12月に東京証券取引所マザーズ市場上場。2005年4月にビジネス・ブレークスルー大学院大学開学、2010年4月にビジネス・ブレークスルー大学経営学部開校。
現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長及びビジネス・ブレークスルー大学学長。2013年10月にアオバインターナショナルスクールを株式会社ビジネス・ブレークスルーの子会社化し、1歳半から幼稚園・小学校・中学校・高等学校までのインターナショナルスクールの教育及び経営に携わり、日本の将来を担うグローバル人材の育成に力を注いでいる。

著者:森 時彦(もり ときひこ)
株式会社ワイ・インターナショナル代表取締役社長。株式会社リバーサイド・パートナーズ シニアアドバイザー。大阪大学卒業、工学博士(Ph.D.)。MITスローン経営大学院卒業、経営学修士(MBA)。株式会社神戸製鋼所、日本GE株式会社役員、テラダイン日本法人代表取締役などを経て現職。これまでに技術開発・製品開発・新規事業開発・営業・マーケティングなどのさまざまな組織でリーダーシップポジションを歴任。BBT大学大学院、日本工業大学大学院などで教鞭をとり、組織変革に関する実践的な授業を受け持つ。

著者:キャメル・ヤマモト(本名・山本成一)
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社執行役員、東京工業大学大学院特任教授。東京大学法学部卒業、オックスフォード大学セント・アントニー・カレッジ シニアアソシエイト・メンバー、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修了(異文化経営修士)。外務省、外資系コンサルティング企業2社を経て現職。日本企業の組織・人材のグローバル化のための「まだらメソッド」を開発し、その導入・普及に取り組んでいる。

本書の要点

  • 要点
    1
    従来は自ら指示命令をだして人を動かす「上意下達型リーダー」が成果を出してきたが、近年は話を聞いて対話を重ねる「双方向型リーダー」へとシフトしてきている。
  • 要点
    2
    リーダーシップとは「人を動機づけることを通じて結果を出すこと」である。
  • 要点
    3
    リーダーシップを磨くためには、リーダー経験を積むことが不可欠である。そのためには、自分の役割に対して、高い目標を設定して、周囲の期待以上の働きと結果を出す必要がある。行き詰り、メンバーが頭を抱えているような問題に対して、積極的に解決の糸口をみつけるような、意思と行動が求められる。

要約

リーダーとは何者なのか?

リーダーとは?
plustwentyseven/DigitalVision/Thinkstock

リーダーと聞いて、どのような人物像を思い浮かべるだろうか。多くの人が、社交的で自己主張の強いタイプの人物をイメージするかもしれない。しかしリーダーシップにはいくつかのスタイルが存在する。従来は自ら指示命令をだして人を動かす「上意下達型」が成果を出してきたが、最近は話を聞いて対話を重ねる「双方向型」へとシフトしてきている。

また、以前は英語圏でもリーダーとマネジャーの区別はあいまいだった。しかし近年は物事を管理して人を動かすのはマネジャーであり、リーダーは方向を示し変革する存在と区別されるようになってきている。

リーダーを育てるにはある程度厳しい環境のもと、リーダーとしての行動規範を徹底して実践する必要がある。しかし、リーダーを輩出する企業は世界的に見ても少なく、人材は慢性的に不足している。

「共感し、動機づける」リーダー

本書では、リーダーシップとは「人を動機づけることを通じて結果を出すこと」と定義している。人は目的もわからず言われたことだけをやるよりも、「何のためにこの仕事をするのか」を理解して取り組むほうがよい仕事ができる。動機づけに関する研究はさまざまあるが、近年リーダーにとって「他人への共感力」や「傾聴力」といった力が重要になってきているという傾向がある。世代の交代とともに各国の文化にも変化が見られ、多様性が生まれてきていることが背景にあると考えられる。

優れたリーダーの特徴

優れたリーダーには、いくつかの共通する特徴がある。魅力的なビジョンを掲げて、誰にも負けない情熱を持ち、高いコミュニケーション力と人を動機づける力をもっている。しかし忘れてはならない重要な特徴が「結果を出す力」である。

「結果を出す力」とは、最終的な結果へのこだわりから生まれるものである。例え、やる気のある優秀なメンバーが毎週80時間働いても、不慮の事故、不意の欠陥、周囲の不手際などさまざまな原因でうまくいかない状態となることがある。そのような心身ともに疲れ果てて孤独な時でも逃げ出さずに、可能性が低くても最善を尽くして、運までを引きよせようとする。この執念のようなものが「結果を出す力」になるのではないだろうか。

リスクをとり、自分のためでなく自分の役割にコミットする。そして、そこで少しでも結果が出ると、周囲からの評価に変化があらわれるはずだ。人は結果についてくるのである。

リーダー開発ニーズの高まり

世界共通の課題「リーダーシップ開発」
lilu_foto/iStock/Thinkstock

世界106カ国、3300人のビジネスリーダー、人事責任者への調査で「どんなテーマを重視しているか」という質問の3年連続のトップの回答が「リーダーシップ開発」である。

また他の調査では「3年~5年後の事業を担う次世代リーダー人材が充実している」と回答した企業はわずか15%であった。世界的にリーダー開発は成功していないのが現状である。

アジアでのリーダーシップ

近年アジアでは、グローバルに活躍できるリーダーをつくる動きが出てきている。

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要約公開日 2016.10.04
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