

仕事において、結局ものをいうのは人間力(人間性)だーー。あなたもこんなふうに思ったことがあるのではないでしょうか?
人間力の重要性はもちろん、プライベートにも言えること。人間力のある人のまわりには、たくさんの人が集まります。
そこでこの記事では、フライヤー編集部が「人間力を高める本」を厳選して紹介します。気になったものがあれば、ぜひチェックしてみてください。
記事更新日:2026年1月5日


人間力を高める本といえば、真っ先に、パナソニック(旧松下電器産業)グループ創業者である松下幸之助さんの著書を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
人間力を高める本の代表例として紹介したいのは『道をひらく』。松下幸之助さんがPHP研究所の機関誌「PHP」に寄せた短文をまとめた一冊です。
本書の言葉はどれもコンパクトで、とっつきやすいのに胸に響くものばかり。移動中にぱらぱらとめくったり、枕元に置き、寝る前に少しずつ読み進めたりするのもおすすめです。ふと目にした一文が、あなたの人生を照らし、進むべき道を示してくれるかもしれません。
ここでは、本書の冒頭に記されている言葉を紹介します。この言葉が心に響いた方は、ぜひ実際の書籍を手に取ってみてください。
「自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。坦々とした時もあれば、かきわけかきわけ汗する時もある」


同じく松下幸之助さんの著書で、人間力を高めてくれる本としておすすめしたいのは『素直な心になるために』。「素直な心」を持つことの意義や、「素直な心」になるための具体的なアドバイスなどを語りつくした一冊です。
本書ではまず、「素直な心の内容十カ条」として、素直な心とはどういう心なのかが10の項目にまとめられています。
そのうちの一つが、何事も融通無碍(ゆうずうむげ)に考えられる、すなわち物事に臨機応変に取り組めるということ。松下さんは、素直な心があれば、何が起こっても、必要以上におどろきあわてることもゆきづまることもなく落ち着いて対処して、よりよい結果を出せるといいます。
素直な心になるために実践したいのは、合い言葉のように口に出すこと。家族や同僚と「素直な心になりましょう」と言い合う習慣をつければ、常に素直な心を意識できるはずです。
素直でいるのは意外と難しいもの。それでも、松下さんの優しい語り口でまとめられている本書を読めば「いつも素直でいる努力をしよう」と思えるはずです。


続いて紹介したい人間力を高める本は、京都セラミック株式会社(現・京セラ)を設立した稲盛和夫さんの著書。
まず取り上げるのは、ビジネスの成功につながる心の持ち方を説いた『心。』です。
稲盛さんは本書で、人生には波乱万丈のドラマがあるが、そうした出来事はすべて自分自身の心が引き寄せ、つくり出したものだと書いています。そして、人生は目の前の出来事にどのような心持ちで対応するかによって大きく変わっていくといいます。
実際、稲盛さんは、自分の置かれた状況に不平不満を漏らしていたときには何もうまくいかなかった一方、自分の運命を受け入れて仕事に没頭し始めてから、人生に追い風が吹くようになったと書いています。
つらいときは、どうしても環境やまわりの人を恨んでしまうもの。そんなときは本書のメッセージを思い出しましょう。現状を恨んだり、卑屈になったりせず、つねに前向きな気持ちで物事に向き合うよう努める――。そうすれば、自然と人間力が高まっていくだけでなく、仕事の成果も上がるでしょう。


同じく稲盛和夫さんの著書の中から、生きていく上でのマインドを学べる『生き方』もおすすめします。「人間として一番大切なこと」という副題の通り、仕事や人生において守るべき原則が、だれでも受け入れやすいかたちでまとめられています。
苦境に立たされたときに思い出したいのは、“結果を焦るな、因果の帳尻はきちんと合う”というメッセージ。
稲盛さんは、人生にはそれを制御する2つの「見えざる手」があるといいます。
「見えざる手」のひとつは、運命です。人はそれぞれの運命をもって生まれ、運命によって導かれたり促されたりして生きていきます。
もうひとつは、よいことをすればよい結果が生じ、悪いことをすれば悪い結果が生じるという因果応報の法則。原因と結果はシンプルにつながっているのです。
良いことをすれば、良い結果が生まれる。それによって、運命に抗うことができる。因果が応報するには時間がかかるが、結果を焦らず、地道に良いことをしよう――。
このメッセージを受け取ったあなたは、これからどのような「生き方」を選びますか? 大切な問いを与え、読み手の人間力を高めてくれる、不朽の名著です。


稲盛さんの著書のうち、仕事や働き方、働くことそのものについて考えたい方におすすめなのは『働き方』です。稲盛さん自身の経験を紹介しながら、「なぜ働くのか」「いかに働くのか」について考えていく一冊となっています。
注目したいのは、もともと一生懸命に働くことが苦手だった稲盛さんが、50年間仕事に没頭することができた理由を語っているパート。そこには、長きにわたって仕事に取り組めたのは、自分から仕事を好きになるように努めたからだと書かれています。
いきなり仕事を好きになるのは難しかったそうですが、「この仕事が嫌いだ」というネガティブな感情を追い払い、とにかく目の前の仕事に全力を注ぐように努力すると、本当に仕事が好きになっていったそうです。仕事が好きになると、より積極的に取り組めるようになり、最後には「これが天職だ」と思えるほどになったのだと書いています。
なお、稲盛さんによると、一生懸命働くためのコツは、恋をするように仕事を好きになること。恋をするときのようなエネルギーを仕事に注ぐことができれば、どんな苦労も苦にならなくなるはずだとしています。
高い目標を掲げ続ける、完璧主義者になる、素人だからこそ自由な発想ができる……など、成果を出して気持ちよく働くための仕事の向き合い方が詰まった本書。年齢や世代を問わず、すべての働く人におすすめしたい、人間力を高めてくれる一冊です。


最後におすすめする稲盛和夫さんの著書は『考え方』です。
稲盛和夫さんには、「人生・仕事の結果=考え方✕熱意✕能力」という、人生の方程式があるといいます。
この方程式の右辺は、「考え方」「熱意」「能力」という3つの要素から成り立っています。
「能力」の多くは生まれつきのもので、この「能力」に掛かる要素が「熱意」(=努力)。「熱意」は「能力」とは違い、自分の意志で変えられるものです。生まれ持った能力に乏しいのなら、誰よりも熱意をもって努力すれば、能力不足をカバーできるのです。
残る要素は「考え方」。ここで稲盛さんが言う「考え方」とは、その人の思想、哲学、理念、信念、人生観、人間性などのことです。稲盛さんによると、3つのうち「考え方」が最も重要な要素です。「能力」と「熱意」が0点から100点まであるのに対して、「考え方」にはマイナス100点からプラス100点までの大きな振れ幅があるからです。
稲盛さんは、どんなに「能力」と「熱意」があっても、「考え方」が間違っていると結果は決してよいものにはならないと書いています。むしろ「能力」と「熱意」が大きいほど、「考え方」が間違っているとき、いっそう大きな負の結果を残すことになるとも指摘しています。
稲盛さんが最重要だという「考え方」について、本書ではさまざまな角度から語られています。自分の「考え方」と真剣に向き合いたい方は、ぜひ一読してみてください。その時間があなたの人間力を高めてくれることでしょう。


自分に自信をつけることで人間力を高めたい……そう願うあなたには『「どうせ無理」と思っている君へ』をおすすめします。
本書の著者、植松努さんは、人気小説・ドラマ『下町ロケット』のモデルと言われる人物です。
北海道にある社員数20人の町工場を営む植松さんは、幼少期から大のロケット好きでした。大のロケット好きとはいえ、ずっと「ロケットなんて作れない」と思い込んでいましたが、ある人との出会いによって運命が変わり、「北海道の小さな町工場でロケットを飛ばす」という夢をかなえます。
そんな植松さんの半生と考え方が丁寧につづられた本書には、老若男女、幅広い人の胸を打つメッセージが込められています。
そのうちの一つが「どうせ無理」という呪文に負けるな、というメッセージ。
あなたは、何かにチャレンジしようとしたとき、まわりの人から「どうせ無理」と否定されたことはありませんか? 植松さんも、ロケットを作ろうとしたとき、「たった20人の町工場で、素人がロケットを飛ばす? どうせ無理ですよ」「資金は? 技術は? どうせ無理な夢を追っているより、仕事をしっかりやるほうがいい」などと、多くの人から否定されたそうです。
植松さんによると、「どうせ無理」と言ってくる人は、決して悪気があるわけではありません。その人自身が誰かから「どうせ無理」と言われてきたから、ほかの人にも同じ呪文をかけてしまうだけなのです。このことを、植松さんは「ゾンビに噛まれた人がゾンビになってしまうのと似ている」と表現するとともに、このゾンビの連鎖を防ぐために、「どうせ無理」に負けない人になってほしい、というメッセージを贈っています。
大きな夢をかなえた植松さんのメッセージは、私たちを奮い立たせてくれるものばかり。本書を読めば、夢に向かって行動しようというモチベーションが湧いてくるはずです。


人間力の高い人たちの生き様に触れることで、自分自身の人間力を高めたいなら、『一生学べる仕事力大全』(藤尾秀昭監修)がぴったりです。
本書は月刊誌『致知』の創刊45周年を記念して刊行された書籍で、『致知』に掲載されたインタビューや対談の中から、「ぜひ後世に残しておきたい」ものが収録されています。経済界の重鎮や有名デザイナー、僧、医師、スポーツチームの監督など、各界のプロフェッショナル74人のインタビューが掲載され、ページ数は800近くにものぼります。
特に注目したいのは、旭川赤十字病院第一脳神経外科部長・脳卒中センター長である上山博康さんへのインタビュー。
上山さんは、かなり難しいとされる「脳動脈瘤」の手術の依頼が月に数十件も舞い込む医師です。手術は時に丸一日ほどもかかるハードさですが、手術を終えて自宅に戻っても、患者からの手紙やメールに目を通すという仕事が残っています。一日の睡眠時間はわずか4時間で、趣味に使う時間はありません。
それでも上山さんは「医師道」を貫き、患者に向き合い続けます。また、自分の才能を示す必要などない、どんなに難しい手術でも誰にでもできるような工法をつくり、医学全体に貢献したいと考えています。
上山さんをはじめとし、数々のプロフェッショナルの高い人間力に触れられる本書。自分はどう生き、どう仕事と向き合いたいのかを考えるきっかけとなってくれるでしょう。


同じく、月刊誌『致知』をルーツにした人間力を高める書籍として、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』(藤尾秀昭監修)をおすすめします。本書は、『致知』に掲載された1万本以上のインタビューの中から、心が熱くなる名インタビューを365本厳選してまとめた一冊です。
本書に登場するインタビュイーたちは、五木寛之氏、桂歌丸氏、森進一氏、加藤一二三氏、瀬戸内寂聴氏、王貞治氏、山中伸弥氏、伊調馨氏といったレジェンドばかり。
ここで紹介したいのは、電機メーカー・パナソニック(旧社名・松下電器産業株式会社)の特別顧問である谷井昭雄さんへのインタビュー。
谷井さんが事業報告で創業者の松下幸之助会長に初めて会ったとき、説明を聞き終えた松下さんは、谷井さんに「君、技術屋か」と尋ねるとともに、品質管理も大事だがそれよりも大事なのは「人質(じんしつ)管理」だと語ったのだといいます。
さらに、松下さんは谷井さんに「君、製品を抱いて寝たことがあるか?」と問いかけました。松下さんは、そこまでの気持ちで製品開発を行えば、どうすれば製品がさらによくなるかを悟るはずだ、そこまでいかなければ本当の製品はできないというメッセージを伝えたかったのでしょう。
心が熱くなり、仕事へのモチベーションが湧いてくるインタビューが詰まった本書を読めば、偉人たちの仕事哲学を余すところなく吸収し、人間としても成長できるはずです。


『1日1話、読めば心が熱くなる365人の生き方の教科書』とあわせて読みたいのが、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』。経営者、僧侶、プロスポーツ選手、教育者、特攻の生き残り、硫黄島の生還者など、365人にインタビューしてまとめた一冊です。
手帳に書き留めたい名言や教訓が満載の本書。一冊を読み通した頃には、あなたの人生により深みが加わっているでしょう。


成功を目指すなら、まずは人格の構築が何より大切だ。人格を磨くために「7つの習慣」を実践せよ――。そんなメッセージが詰まった、人間力を高める名著といえば『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』。作家・経営コンサルタントのスティーブン・R・コヴィーによる、定番の自己啓発書です。
本書で示される「7つの習慣」は以下の通り。
(1)主体的である
(2)終わりを思い描くことから始める
(3)最優先事項を優先する
(4)Win-Winを考える
(5)まず理解に徹し、そして理解される
(6)シナジーを創り出す
(7)刃を研ぐ
7つの習慣が自然に実践できるようになるころには、人間的に大きく成長したあなたになっているでしょう。さて、7つの習慣のどれから取り組み、人間力を高めますか?


人間力を高め、自分にとっても周囲の人にとって恥ずかしくない振る舞いをしたいなら、自分に残された時間の尊さを再認識するのが一つの手でしょう。そこでおすすめしたい本は『もしあと1年で人生が終わるとしたら?』です。
本書は、これまでに3500人以上の患者さんを看取ってきたホスピス医の小澤竹俊さんが、死に直面した人たちのエピソードを紹介する一冊。
著者によると、人生の終わりが近づくと、「もっと家族との時間を大事にすればよかった」という声が多く聞かれるそうです。あなたも「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」と想像したとき、家族や友人との時間を大切にしたいと思ったなら、今日から常にそのことを意識してみましょう。意識が変われば、家族や友人に対する振る舞い方が変わることでしょう。
「今までの仕事や働き方に満足していますか?」「どうすれば、生きてきてよかったと思えるでしょうか?」「自分の心の声は聞こえていますか?」など、本質的な問いをたくさん投げかけてくれる本書。これらの問いと真剣に向き合えば、目の前にある時間やまわりにいる人たちの扱い方が変わり、さらに人間力の高いあなたになれるはずです。


『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)は、2023年に同名のジブリ映画が公開されたことでも話題のロングセラー。15歳の主人公・コペル君の日常と、叔父さんがコペル君に向けて書いた「ノート」のパートによって構成された一冊となっています。
ここで注目したいのは、“過去の偉人の言葉や行動をなぞるだけでは、「立派そうな人」にしかなれない。自分自身の経験を重視し、そこから何を感じたかを深く考えることが、真に立派な人になるための道である”というメッセージ。
あなたは、真に立派な人になるために、どのような言葉を使い、どのように行動しますか?
発見と示唆に満ちた本書を読めば、これからの人生をより良い方向へと変えるヒントが見つかるでしょう。


あなたは「ネガティブ・ケイパビリティ」という言葉を知っていますか?
「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、「事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいられる能力」のこと。『ネガティブ・ケイパビリティ』ではこの能力について、日本とフランスの病院での勤務経験がある精神科医で、数多くの文学賞に輝く作家でもある帚木蓬生さんが丁寧に解説しています。
本書を読めば、すべての物事を「理解しよう」「白黒はっきりさせよう」と思う気持ちがスーッと消えて、肩の力が抜けて、心が軽くなるでしょう。
わからないものをわからないままにしておく能力は、ネガティブな事態に直面したときに大きなパワーを発揮します。不確実な時代にあってもどっしり構えようと思わせてくれる、新鮮な気づきに満ちた一冊です。


人間は感情にふり回されがちな生きものです。特に怒りの感情は、あなたを支配し、大切な人々を傷つけ、時には人生を揺るがすような大きな失敗を招きます。
もう怒りに振り回されたくないと思うなら、『アンガーマネジメント』を読んでみましょう。著者の戸田久実さんは、怒りとうまくつき合う「アンガーマネジメント」のプロフェッショナルとして、一般社団法人日本アンガーマネジメント協会の理事を務めています。本書ではそんな戸田さんが、アンガーマネジメントの考え方と実践法を教えてくれます。
本書を読んでアンガーマネジメントのスキルを身につければ、感情に振り回されない「人間力の高い人」に一歩も二歩も近づけるでしょう。「つい怒ってしまった」と後悔することがなくなり、より快適な人生を送れるようになるはずです。


『あなたの人生の意味 上・下』(デイヴィッド・ブルックス著)は、書名の通り、自分の人生の意味を深く考えさせてくれる本です。
ここで紹介したいのは“謙虚になり学ぶ姿勢を持てば、人間はより良く生きることができる”というメッセージ。あなたは、シンプルながら本質的なこのメッセージに、何を思いますか?
本書を読む前と読んだ後では、あなたの考え方は大きく変わっていることでしょう。上下巻ともに、時間をかけてじっくりと向き合ってほしい、読み応えのある名著です。
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