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本書の要点

  • 私たちの脳は、社会課題に少なからず影響を与えている。

  • 脳は役割に応じて8つのエリアに分けられ、それぞれ『脳番地』と呼ばれる。各番地が衰えると、さまざまな「老害」の兆候が出てくる。

  • 45歳から75歳が「脳の中年期」だ。脳の老化を抑えるには、この時期に脳機能を強化する必要がある。

  • 思考系脳番地を鍛えるには、意図的に新しいことに取り組むといい。感情系脳番地は、「自分で自分をほめる」ことで強化される。

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社会と人を疲弊させる「老害」

左脳・右脳から見る「老害」現象

kazuma seki/gettyimages

「老害」はどのように生み出されるのか。右脳と左脳の視点から考えてみたい。

一般的に脳は、周囲の情報を処理する右脳と、自身の状況を言語で認識する左脳に分けられる。「老害脳」もこれと同じく、「右脳老害」と「左脳老害」の2種類に分類できる。

「右脳老害」は、周囲に同調した行動を生みやすく、組織の悪しき慣習を踏襲する行為がこれに当たる。

「左脳老害」は、自己中心的な視点から生じる。過去の成功体験にこだわる、新しいアイデアを受け入れられない、一方的に怒鳴りつけるなど、自分の意見を押し付ける行為が多くなる。

組織内に「老害」がはびこると、それに同調する人たちの「右脳老害」化が始まる。その人たちが組織に居続け、権限が大きくなると「左脳老害」をまき散らすようになる。すると組織全体が「老害」化し、不正や偽装などの組織犯罪が起こる危険性も高まってしまう。

「老害脳」を生み出しやすい日本社会

日本社会は秩序や肩書きを重んじ、年長者を敬う文化がある。著者はこの文化が、「老害」の発生やまん延をさせやすくしている要因のひとつだと考える。

脳の仕組みは社会の構造や状況に影響を受けるが、逆に脳が社会のあり方を決め、加速させている側面もある。私たちの脳は、社会課題に少なからず影響を与えているのだ。

その顕著な例が、トップ選びの基準である。日本人はトップを選ぶとき、安定性や前例を重視する傾向がある。日本は比較的平和なため人々の危機意識が低い。脳科学的には、思考停止に陥りやすい状態にあると言える。

また、各界のリーダー層には高齢者が多い。彼らが「老害」的な振る舞いをしても反対せずに黙っていることが、日本では美徳とされる。これでは世代交代が進まず、社会も活性化しない。それどころか、「見て見ぬふり」をしている「被害者」側の「右脳老害」化も進んでしまう。

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要約公開日 2024.12.22
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