「なまけもの」のやる気スイッチ
99%が知らない「行動」を科学する
「なまけもの」のやる気スイッチ
「なまけもの」のやる気スイッチ
出版社
総合法令出版

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出版日
2023年12月19日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「やらなきゃいけないことがあるけど、あと少しだけ……」と思いながら、ついついスマホを片手にダラダラしてしまう。それは、「なまけもの」だからなのか。それとも、そもそもやる気がない人間だからなのだろうか。

やるべきことを先延ばしにし、ついダラダラしてしまう原因は「やる気の出し方を知らないから」である――。本書『「なまけもの」のやる気スイッチ』では、そう指摘している。本書では、やる気がないときにも、効果的にやる気スイッチを入れる方法を、科学的な裏付けをもって紹介している。

著者は、社会心理学をベースにした実践的なアドバイスを行う、心理学者の内藤誼人氏だ。これまで内藤氏は200冊を超える書籍を世に送り出しており、フライヤーでも『世界最先端の研究が教える新事実 心理学BEST100』など、多くの著書が要約されている。

本書で紹介している「やる気を出すための方法」は、簡単に実践できるものが多い。たとえば「お腹をすかせる」、「スポーツジムに行ったら、ご褒美に冷たいビール」などもその一例だ。

「やらないといけないのはわかっているけど、最初の一歩がなかなか踏み出せない」という経験は誰にでもあるだろう。さらに「はじめてはみたけれど、続かない」という悩みもあるかもしれない。そんな悩みを抱える人は、まずは本書を読み、紹介されている方法を試してみよう。きっとあなたにピッタリの「やる気スイッチを入れる方法」が見つかるはずだ。

ライター画像
中山寒稀

著者

内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長。
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。
著書に、『世界最先端の研究が教える新事実 心理学BEST100』『世界最先端の研究が教える すごい心理学』『世界最先端の研究が教える もっとすごい心理学』(以上、総合法令出版)など多数。その数は200冊を超える。

本書の要点

  • 要点
    1
    やる気を出すためには、お腹を空かせることが有効だ。お腹が空けば貪欲になり、食べ物以外の欲求も高まる。
  • 要点
    2
    限界は自分が作り上げている。「自分には絶対にムリ」と考えずに挑戦すれば、案外あっさりと限界を超えられるものだ。
  • 要点
    3
    目標に対する努力を継続させるには、ルールを守れない日もあることを予想しておく。継続できない日があっても、それを許容することで挫折することなく、やる気を持続させることができる。

要約

【必読ポイント!】すぐに押せる「やる気スイッチ」

空腹のときに行動する

現在の日本は豊かになり、食べ物に困って飢えるということはほとんどなくなった。それは喜ばしいことだが、困った一面もある。それは、お腹がいっぱいだとやる気が出にくいという点である。

動物は空腹になると、エサを得るために行動する。しかし、常にお腹が満たされている動物園の動物は、動かずにダラダラとしている。人間も同じで、お腹が満たされていると動こうという気になりにくいのだ。

これは食べ物に限ったことではない。人は空腹になることで、貪欲に何かを求めるようになり、食べ物以外の欲求も高まるのである。

ミネソタ大学のアリソン・シューは、大学の食堂で次のような実験を行った。これから入ろうとしている空腹の人と、食事を終えて出ようとしている満腹の人に、商品の好ましさについて評価してもらった。対象とした10個の商品は、食べ物が5つ、食べ物以外が5つという内訳だ。

その結果、空腹の人は食べ物だけでなく、食べ物以外の商品についても「ほしい」と思う度合いが高かった。逆に満腹の人は、満ち足りた気持ちになって「もういらない」と感じやすかった。行動を起こすには、前者の状態のほうが適していると言える。

本気の力を出したいときは、あえて食事を抜いてみるのも一つの手だ。きっとモチベーションの向上につながるはずである。

すぐに「ご褒美」をもらえるようにする
kazoka30/gettyimages

「ご褒美」でやる気を上げたいなら、すぐにもらえるようにしておくことが重要だ。お給料であれば、最もやる気が出るのは日給制だ。1日働いてすぐにお金をもらえると思えば、仕事も苦にならないだろう。一方で、お給料をもらうまでに時間がかかると、働くことが億劫になってしまう。

シカゴ大学のケイトリン・ウーリーは、新年に目標を立てた人200人に対し、2か月後に「決めたことをいまも実行しているかどうか」を確認した。また、その行動後に「すぐにご褒美をもらえるかどうかも尋ねてみた」。その結果、目標を続けていた人は、ご褒美を「すぐに」もらえるようにしていたことが明らかになった。

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要約公開日 2025.06.04
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