プロ目線のPodcastのつくり方
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プロ目線のPodcastのつくり方
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2025年11月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

なぜ、このポッドキャストをもう一度聞きたくなるのだろうか。

SpotifyやApple Podcastを開けば、エンタメ、ビジネス、趣味などの番組が並ぶ。YouTubeやTikTokといった動画コンテンツがアテンションを奪い合う現代、本書を読むと「音声メディア」が再評価されるべき理由がクリアになってくる。

本書の帯にある「100万人の通りすがりの視聴者よりも、1万人の濃いリスナーがビジネスを変える」という言葉が印象的だ。広く浅くではなく、深くつながる。そんな関係性を育むポッドキャストの可能性に心躍る。現に2024年の米大統領選では、有力候補者たちが次々と人気ポッドキャストに出演し、その影響力を印象づけたことは記憶に新しい。

本書は、そうした潮流を背景に、ポッドキャストを配信する選択肢をぐっと身近にしてくれる一冊だ。著者の野村高文さんは、2022年にポッドキャスト制作レーベルを立ち上げ、知的好奇心を刺激する番組を数多く生み出してきた。

本書は、音声による情報発信を目指す人に向けた実践的なガイドである。企画、台本づくりから収録、編集、配信、宣伝、マネタイズまでを体系的に整理し、「これだけは押さえておきたい」ノウハウを惜しみなく展開している。カギとなるのは、「発見+理解+共感+空間設計」という「番組価値を高める方程式」だ。

「番組を持ってみたい」「ブランドや事業のPRとして検討したい」と思う方は、迷わずこの一冊から始めてほしい。音声発信の未来を自ら切り拓く力が湧くはずだ。

ライター画像
松尾美里

著者

野村高文(のむら たかふみ)
Podcastプロデューサー・編集者
愛知県知立市出身。東京大学文学部卒。PHP研究所、ボストン・コンサルティング・グループ、ニューズピックスを経て、2022年にPodcast Studio Chronicleを設立。制作した音声番組「a scope」「経営中毒」で、JAPAN PODCAST AWARDS ベストナレッジ賞を2年連続受賞。その他の制作番組に「News Connect」「みんなのメンタールーム」など多数。TBS Podcast「東京ビジネスハブ」メインMC。著書に『視点という教養』(深井龍之介氏との共著)、『地域が動く経営戦略』(土屋有氏、藏本龍介氏、矢田明子氏との共著)。旅と柴犬とプロ野球が好き。

本書の要点

  • 要点
    1
    ポッドキャストは目立つことよりも蓄積することが価値につながるメディアだ。
  • 要点
    2
    ポッドキャストの企画は「人×テーマ」で設計する。おもしろいポッドキャストの条件は、発見、理解、共感、空間設計の4つである。
  • 要点
    3
    収録本番では「3つのチェックポイント+余白」で自由な対話を生むと魅力が増す。
  • 要点
    4
    聞き手は話の価値を編集し、意味づける「共同制作者」としての意識が求められる。

要約

いま、ポッドキャストを始めるべき理由

ポッドキャストの「3つの強み」

世間の情報量は加速度的に増えていて、ネット空間では「アテンション(関心)の奪い合い」が起きている。そんな中、視覚インパクトに乏しく、一定の時間をリスナーに求めるポッドキャストは、一見不利に見える。だが、ポッドキャストというメディアは、アテンション過剰な現代にこそ再評価される価値がある。

ポッドキャストの強みは3つある。1つめは、画面を見続けなくても「耳だけで」理解でき、「ながら聴き」が可能な点だ。

2つめは、「長く」聴いてもらえる点である。動画やテキストと比べると、ポッドキャストは発見してもらえれば長く聴かれ続けるという特徴がある。リスナーがコンテンツに費やす時間が長く、「完全聴取率(最後まで聴いてもらえる率)」は30分番組でも7~8割と高い。一方、同等の長さのYouTubeは2割程度にとどまる。さらに、番組を何度も聴いてくれる「おつきあいの長さ」も特筆すべき点で、ポッドキャストはフォロワーが1万人いれば再生回数はほぼ毎回1万回で安定する。

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要約公開日 2025.12.07
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