会社は「本」で強くなる
会社は「本」で強くなる
マネーフォワード 全社で取り組む「読書経営」
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会社は「本」で強くなる
出版社
日本経済新聞出版

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出版日
2025年10月15日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

創業13年で売上高約404億円、社員数は約2900人、リリースしたサービスの数は60超、連結子会社の数は22社。破竹の勢いで成長を続けているのが、クラウド会計ソフトや家計簿アプリで知られるマネーフォワードだ。

なぜ同社はこのような急成長を続けられるのか――その答えは本書にある。

著者の宮本恵理子氏は、日経ホーム出版社(現・日経BP)で編集経験を積み、独立後はAERA『現代の肖像』やNewsPicks『仕事の哲人』などで人物ドキュメンタリーを数多く手がけてきたノンフィクションライターだ。

そんな宮本氏が見出した、冒頭の問いの答えは「本」。取材を通して明らかになったのは、同社に深く根づく「読書文化」であった。Slack上では社員の「この本、めっちゃよかったです!」という投稿に即座に返信が集まり、経営陣が自ら課題図書を指定する研修もある。現場マネージャー向けプログラムや新入社員のオンボーディングにも本が組み込まれ、部署を越えた自主的な読書会も開かれているという。

読書は個人の教養や楽しみのためだけのものではなく、組織の共通言語を育て、思考力と対話力を底上げする力を持つ――本書はそのことを証明している。「読書文化」という見えない資産を丁寧に掘り下げた一冊として、組織づくりに携わる人や、学び合うチームをつくりたいリーダーに手に取ってほしい。読後には、「会社は『本』で強くなる」というタイトルの意味を実感するだろう。

著者

宮本恵理子(みやもと えりこ)
インタビュアー、ノンフィクションライター、編集者
1978年、福岡県生まれ。筑波大学国際総合学類卒業後、日経ホーム出版社(現・日経BP)入社。『日経WOMAN』編集部、新雑誌開発などを経て、2009年末より独立。AERA『現代の肖像』、NewsPicks『仕事の哲人』、BusinessInsiderJapan『ミライノツクリテ』、日経ビジネス電子版『僕らの子育て』など、人物ドキュメンタリーの取材執筆を積極的に行う。個人向けオーダーメイドの本づくり「家族製本」やインタビュー&ライティング講座を主宰するほか、ビジネス映像メディア「PIVOT」の創業、伊藤羊一氏らによる「Musashino Valley」の立ち上げに参画するなど、フリーランスを軸に活動を広げる。
手がけた書籍は90冊以上。主な著書に『大人はどうして働くの?』『子育て経営学』(以上、日経BP)『行列のできるインタビュアーの聞く技術』(ダイヤモンド社)。

本書の要点

  • 要点
    1
    マネーフォワードの急成長を支えているのは、経営陣から社員まで浸透した「読書文化」である。読書を個人の教養にとどめず、「問いを持ち、本を読み、実践し、対話する」ための手段として位置づけ、本を軸とした学びを制度化している。
  • 要点
    2
    辻庸介グループCEOは組織の成長段階に応じて読む本を選び、経営の意思決定や文化づくりに反映させてきた。
  • 要点
    3
    マネーフォワードでは、本を用いた公式研修に加え、社員による自主的な読書会も活発に行われ、部署を越えた知の交流が生まれている。

要約

【必読ポイント!】 マネーフォワードの急成長の秘密

組織全体に浸透する「読書文化」
west/gettyimages

クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド」や家計簿アプリ「マネーフォワード ME」を軸に、金融領域を横断しながら拡大を続けてきたマネーフォワード。2012年の創業からわずか13年ながら、2024年11月期の売上高は約404億円(前年比33%増)に到達し、社員数は約2900人、リリースしたサービスは60超、連結子会社数は22社へと拡大している。

こうした急成長の根底にあるのが、創業者である辻庸介グループCEOを含む経営陣、そして社員全体に共有されている「読書」の文化である。

同社における読書は、個人の教養や自己啓発にとどまらない。「問いを持ち、本を読み、実践し、対話する」という営みを通じて、個人と組織がともに成長していくための実践的なインプットとして機能している。

「読書文化」の背景にあるのが、社内コミュニケーションツールでの交流や経営合宿、そしてマネジメント研修である。例えばSlack上では「この本、めっちゃよかったです!」といった投稿に対し、即座に複数の返信が付く。「自分もその一節が印象的だった」「そのテーマなら〇〇という本もおすすめ」と、各自の読書体験が持ち寄られる。

その文化の中心にあるのが、トップである辻自身の姿勢だ。辻はSlack上でも読んだ本や心に響いた一節を共有する。「この本、久しぶりに読み返して刺さった」「今のフェーズで読むと見える景色が違った」――その言葉に社員が反応することで、読書文化が深まっていくのだ。

本を使った社内研修

社内研修においても、読書は積極的に活用されている。そのうちの一つ、本部長クラスのマネジメント層を対象とする「読書セッション」は、経営課題に関連する書籍を読み込み、自らの行動へどのように活かすかを内省する構成だ。

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要約公開日 2025.12.11
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