強いLLMO
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AI検索で選ばれるためのマーケティングガイド
NEW
強いLLMO
出版社
エムディエヌコーポレーション

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出版日
2025年10月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

ほんの少し前まで、何かを調べようと思ったら「ググる」ことが当たり前であった。ChatGPTなどの生成AIが登場し、それを多くの人が使うようになったことで、ウェブにおける検索行動はガラリと変わってしまった。キーワードをググって該当するページを探索するのではなく、質問によってAIから答えを直接得るようになっている。「新宿 やきとん 安い居酒屋」などと検索し、地道にいろんなページを比較検討して、ああでもないこうでもないと頭を悩ませる必要はない。「新宿でやきとんがおいしく、3000円くらいで満足できる居酒屋を5つ教えて」と尋ねれば、「最適化」された答えがすぐに出てくるのだから。

この流れが進んでいくのであれば、「検索エンジンで上位に表示されることを目指す方法」としての従来のSEOから、「AIに対して『自社の製品やサービスをどう認識させ、どう推薦させるか』がカギ」となるマーケティングへと転換していかなくてはならない。創業以来、幅広くSEOをサポートしてきた企業、LANYは、そうした新しい方法を「LLMO(Large Language Model Optimization=大規模言語モデル最適化)」と呼んでいる。

間に生成AIは挟まるが、その先にいるのはもちろん人間だ。AIに選ばれることは、人間に選ばれることにもつながる。「話しかけ方」が異なっているにすぎない。本書は、SEOとの違いをつぶさに検討しながら、未来のマーケティングを考えるための素材を提供する。

AIに推薦されるとは何なのか。やや哲学的な問いにも踏み込めそうな一冊である。

著者

竹内渓太(たけうち けいた)
株式会社LANY代表取締役。株式会社リクルートホールディングスにデジタルマーケティング職で新卒入社。3年間デジタルマーケティングに従事。大規模サイトのSEOを中心に、デジタル広告運用やBtoBマーケティングなど多種多様な業務を経験。その後、株式会社LANYを創業し、Webメディア・サービスサイト・データベース型サイトなど幅広いモデルのSEO改善をプレイヤーとしてサポート。著作に『強いSEO “SEOおたく”が1000のサイトを検証してわかった成果を上げるルール』『強いBtoBマーケティング 起業から5年、アウトバウンド営業なしで年平均成長率185%を達成した手法』(いずれもエムディエヌコーポレーション)。

本書の要点

  • 要点
    1
    生成AIを日常的に使う人が増えたことで、「ブランドを想起してもらう仕組み」「選ばれるための接点のつくり方」「人が購買を決める基準」までもが大きな影響を受けつつある。
  • 要点
    2
    LLMOは「AIに対して信頼できる存在として刻まれる取り組み」だ。
  • 要点
    3
    AIに最適解として推薦されるためには、AIから「“深く理解”され、“高く評価”され、“自信を持って推薦”される」という3つの段階すべてへのアプローチが求められる。
  • 要点
    4
    LLMOでは、AIのタイプによって戦術は大きく2つに分けられる。1つは検索連動型AI、もう1つは対話型AIである。

要約

【必読ポイント!】 LLMOとは何か

AIは何を変えたのか
Supatman/gettyimages

生成AIを日常的に使う人が増えたことで、検索行動は「生成AIとの『対話』により答えを得るスタイル」に変わってきている。「ブランドを想起してもらう仕組み」「選ばれるための接点のつくり方」「人が購買を決める基準」までもが大きな影響を受けつつある。

Google自身もAIを取り込み、「AI Overviews」のような仕組みの実装が進んでいる。Webサイトを訪れなくても回答を得られるゼロクリック検索の傾向が強まり、もはや、オーガニック検索からの流入数が主要KPIとなる時代は、終わりを告げようとしている。

ブランド名で指名検索しなくても、AIは横断的に膨大な情報を分析し、「妥当な選択肢」を瞬時に与えてくれる。「まだ知らないが、最適な選択肢を教えてほしい」という非指名検索の問いかけが重要であり、そこで必要となる戦略がLLMO(Large Language Model Optimization=大規模言語モデル最適化)なのだ。なかでも、購入に深い検討を要し、感情や好みよりも便利さや効用という論理的な点を重視する、金融や不動産といった商品カテゴリー、あるいはBtoB商材で、AIのレコメンドはきいてくる。

情報収集と比較・評価はAIに任せ、人間は最終決定にのみ関与すればよい。だからこそ、AIの回答に接点を持てるようになる必要がある。ユーザー側は「ある程度、納得した段階でしか企業に接触しない」ため、「話だけでも」という軽いリード獲得の機会が激減する。また、ブランドへの愛着・信頼・共鳴を醸成するような世界観などをWebサイトでどれだけつくり込もうと、合理性重視のAIによって、簡素な説明に変えられてしまう。それに、ユーザーとAIとの対話は見えないため、顧客理解につながるユーザーの行動データがブラックボックス化する。顧客接点のロスは、そうして「企業マーケティングの根幹を揺るがす」のだ。

LLMOの基本

LLMOは「AIに対して信頼できる存在として刻まれる取り組み」である。それまでのSEOやブランディングなどの施策を再統合し、AIを通して顧客から選ばれるように最適化していくマーケティング戦略だ。「AIが文脈や意図、信頼性まで深く理解できるように情報を設計すること」を意図している。

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要約公開日 2025.12.20
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