「伝わる説明」の基本
「伝わる説明ができる人」と「できない人」の決定的な違い

説明が相手に届かない原因は、「自分本位」の姿勢にある。「自分の伝えることを相手はわかってくれるはず」という期待や、「間違いや抜け漏れを責められたくない」という不安を抱え、「自分のことをわかってもらいたい」という視点にとどまる限り、どれだけ工夫しても意味はない。
一方で、伝わる説明ができる人は「相手基準」で考える。「相手が知りたいことは何か」「相手がこちらの意図を正確に受け取るにはどうすべきか」と考え、説明の内容や伝え方を調整しているのである。
たとえば同じ商品を説明する場合でも、相手の関心によって方法を変える。関心が機能にある相手には性能を中心に伝え、その商品が生活にどう役立つかを知りたい相手には「何ができるようになるか」を軸に説明する。また、言葉だけでは伝わりにくいと感じた場合には、画像を用いるなど手段を工夫する。
説明力がある人は、「論理的に説明できる」「説得力のある話し方ができる」といった技術以前に、「相手の視点に立てる人」なのである。
「相手の視点に立てる人」は誰からも信頼される。加えて、何度も説明する必要がなくなるため、仕事の効率が上がる。顧客からは「そういう提案を待っていました」と評価され、成果につながるだろう。
つまり、「相手基準」の視点に立った説明力を身につければ、人間関係も仕事も、そして人生そのものもうまくいくのだ。
説明前に整理しておくべき3つの要素
実際に説明をする前には、3つの要素を整理しておく必要がある。
まずは「誰に」である。「相手はどのような状況にあるのか」「どのようなバックグラウンドを持っているのか」「相手が知りたいことは何か」といった「相手に関する情報」を把握することが出発点となる。
次に「何を」である。相手に対し、目的を達成するために伝えるべき事実や、それを裏付ける根拠といった「説明に使う材料(情報)」を明確にする。
最後に「どのように」である。「何を」で集めた材料を、「誰に」の情報に応じて取捨選択し、相手が受け取りやすい形に整えて提示する。「言葉よりも図で示す」「専門用語ではなく、たとえを使って説明する」といったように、相手に応じて伝え方を変えることが重要である。
ただし、これら3つを押さえるだけでは「伝わる説明」にはならない。説明の質は、「誰に」「何を」で集める情報の質と、「どのように」でそれをいかに理解しやすい形へ整えるかによって左右されるためである。つまり、「説明力」=「情報収集力」×「情報整理力」だと言える。




















