ザ・メンタルモデル
痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー

未 読
ザ・メンタルモデル
ジャンル
著者
天外伺朗 由佐美加子
出版社
内外出版社 出版社ページへ
定価
1,750円 (税抜)
出版日
2019年09月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
要約全文を読むにはシルバー会員またはゴールド会員への登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
この要約を友達にオススメする
ザ・メンタルモデル
ザ・メンタルモデル
痛みの分離から統合へ向かう人の進化のテクノロジー
著者
天外伺朗 由佐美加子
未 読
書籍情報を見る
ジャンル
出版社
内外出版社 出版社ページへ
定価
1,750円 (税抜)
出版日
2019年09月09日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
本の購入はこちら
レビュー

本書を読みながら、要約者は、美智子上皇后の著書『橋をかける』のなかの「でんでんむしの悲しみ」という話を思い出した。でんでん虫は、ある日、自分の背中の殻に悲しみがいっぱい詰まっていることに気づく。そして、自分だけではなく、誰もが殻にいっぱいの悲しみを抱えていることを知る。

著者らの言葉を使えば、それは「痛み」ということになる。私たちは誰もがそれぞれの痛みを抱えて生まれてきた。しかし、それに対峙することは耐えがたいため、無意識のうちに回避行動(克服・逃避)をとってしまう。そして、それが不本意な現実を呼び込んでいる。その痛みは、「メンタルモデル」という4つのタイプに類型化できる。それは「価値なしモデル」「愛なしモデル」「ひとりぼっちモデル」「欠陥欠損モデル」である。

フライヤーの読者は向上心が高いので、メンタルモデルが「価値なしモデル」の方が多いことが推察できる。このメンタルモデルの人は、価値を出さなければ自分がいる意味はないと考え、自己価値の証明に駆り立てられる傾向にある。責任感や達成意欲などが高く、社会の主戦力になっているはずだ。

もちろん著者らは、タイプ分けが目的ではないと強調している。しかし、自分がどのメンタルモデルかを考えることで、自己理解が深まり、他者の行動についても深いレベルから見ることができる。さらには、生まれ持った自分のミッションの実現に向けて動けるようになるという。本書を読み、痛みを乗り越え、「分離」から「統合」に向かう人生の旅を始めてみてはいかがだろうか。

しいたに

著者

由佐 美加子(ゆさ みかこ)
合同会社Co-Creation Creators(CCC)代表
野村総合研究所、リクルートで勤務した後、グローバル企業の人事部マネジャーを経て現職。年間250日以上ファシリテーターとして立つ様々な場と、1000人を超える個人セッションから見出した、HMTと名付ける内面世界を紐解く人間理解のための体系化した技術をもとに、オンラインや対面の公開講座、企業内ワークショップなどを通して全国的に活動している。書籍「U理論」訳者。
メンタルモデル公式サイト:http://mentalmodel.jp/
Human OS Migration Technology(HMT) 公式サイト:http://hmt.llt.life/

天外 伺朗(てんげ しろう)
工学博士(東北大学)、名誉博士(エジンバラ大学)。1964年、東京工業大学電子工学科卒業後、42年間ソニーに勤務。上席常務を経て、ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所(株)所長兼社長などを歴任。現在、ホロトロピック・ネットワークを主宰、医療改革や教育改革に携わり、瞑想や断食を指導し、また「天外塾」という企業経営者のためのセミナーを開いている。著書に、『幸福学×経営学』『人間性尊重型大家族主義経営』『無分別智医療の時代へ』(内外出版社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    本書のメンタルモデルは、著者の一人由佐美加子氏が、1000人以上の人の心の悩みや信条に耳を傾け、人間の内面の構造を可視化するなかから見出したものである。
  • 要点
    2
    メンタルモデルは、「外側で起きていること、体験していることのすべては、その人の内側にある内的世界から創り出されている」という仮説に基づいたものだ。
  • 要点
    3
    私たちは、各自のメンタルモデルに向き合うことで変容を果たし、不本意な現実に振り回される人生から決別し、本来創りたい世界の実現に向けて邁進することができる。

要約

私たちの内的世界

不本意な現実はどこから来るのか
Feodora Chiosea/gettyimages

私たちの生活や仕事に、次々と押し寄せてくる「不本意な現実」。その原因は、私たちが持っている内的世界のメンタルモデルにあるのかもしれない。

一般的に使われるメンタルモデルとは、認知心理学の用語で、現実を認知する前提にある思い込みや既成概念を意味する。本書における「メンタルモデル」は、人間が幼少期に体験した痛みを、自分から切り離すために「自分もしくは世界とはこういうものだ」と無意識に決定づけた捉え方を指す。いわば、その人固有の最も深いところにある「信念」だ。これは著者らの独自の定義である。

人間の意識の成長・発達に関しては多くの研究があり、発達の階層構造も様々な説が説かれている。そのすべての説に共通するのが、人の発達の段階には、飛び越えなければいけない大きなギャップがあるということだ。深層心理学の用語では、これを「実存的変容」と呼ぶ。

この変容とは、親、会社、社会などの外側からの期待に応え、痛みを避けようとする生き方から、自らの魂の根源的な要求に沿って、現実を自由に創造する生き方への変容である。本書では、これを「分離」から「統合」へと表現している。

内的世界の構造を知る

私たちの内的世界の構造は次のようなものである。コアにあるものは、「あるはずのものがない」という感覚であり、そこから生まれる「痛み」だ。あるはずのものとは、「自分はありのままで愛される」という無条件の愛である。同時に、「絶対的につながっている」という感覚から得られる安心感でもある。つまり「愛」と「つながり」のことだ。

メンタルモデルは、この痛みを自分から切り離すためのものであり、本人には自覚されない。いったんそれができあがると、それ以降の人生ではそのときの痛みを二度と感じまいとする「回避行動」で埋め尽くされていく。

回避行動には、努力によって痛みを乗り越えようとする「克服型」と、痛みに触れまいとする「逃避型」の2種類がある。こうした「あるはずのものがない」という感覚から始まった一連の内的世界のメカニズムを、著者らは「生存適合OS(オペレーションシステム)」と呼ぶ。

回避行動はその人がやりたいと魂から願っていることではない。そのため、いつまでたっても、たとえ成功者として世間から賞賛されようとも、「これは本意ではない」「どこか違う」という感覚から逃れられない。これが不本意な現実の正体である。

【必読ポイント!】 4つのメンタルモデル

怖れと不安に支配された人生
tadamichi/gettyimages

メンタルモデルは次の4つに類型化できる。

・「価値なし」モデル(私には価値がない)

・「愛なし」モデル(私は愛されない)

・「ひとりぼっち」モデル(自分はこの世界で所詮ひとりぼっちだ)

・「欠陥欠損」モデル(私には何かが足りない・欠けている)

メンタルモデルは一人ひとり違い、また誰でもこの4つの要素を持っている。だが、各自のメンタルモデルはこのうちのどれかに絞り込むことができる。

メンタルモデルは、積極的に何かをコントロールするわけではない。痛みの回避行動という形で、人生を無自覚のうちに制御している。その状態では、痛みが再来する「怖れと不安」に支配された人生といってよい。

こうした分離から統合への変容を果たすにはどうしたらよいのか。その道のりもまたメンタルモデルによって異なってくる。

「価値なし」モデル(私には価値がない)

人は誰もが「自分のありのままを愛されたい」と思っている。しかし、生まれてしばらくすると、周囲からの評価が始まる。成果や能力が評価されてはじめて、認めてもらえるようになる。そのため、期待に応えることで、自分は愛されるんだ、という思い込みができていく。このモデルの根っこにある痛みは、「自分がただありのままで存在しているだけでは、価値あるものとして認めてもらえない」というものである。

この痛みを避けるための回避行動は、能力を高め、自己価値を証明するために他人の要求や期待に応え続けるという、努力・克服型になりやすい。会社組織の中で、優秀と評価される人たちには、このモデルが多い。よくある口癖は、「やればできる」「それは意味があるのか?」である。

このメンタルモデルのリーダーは、責任感も達成意欲も強い。価値を出せる人間を集めて、事業を成長させようとひたすら価値の向上に邁進していく。

分離から統合への変容のカギは、他人に委ねていた承認軸を、自分が自分の価値を認めるという「自分軸」にどう転換できるかにある。「価値なし」モデルの人たちにとっては、自分の内なる声を聞いて、行動を選択できるようになることが目標となる。

「愛なし」モデル(私は愛されない)

愛は、一般的に愛情表現という行為をベースとした取引になっている。「愛なし」モデルの人は、愛情取引の天秤のなかで、「自分が求める愛はない、自分は望む形で愛してもらえていない」という痛みを抱えている。

要約全文を読むにはシルバー会員またはゴールド会員への登録・ログインが必要です
「本の要約サイト flier(フライヤー)」は、多忙なビジネスパーソンが本の内容を効率的につかむことで、ビジネスに役立つ知識・教養を身につけ、スキルアップに繋げることができます。具体的には、新規事業のアイデア、営業訪問時のトークネタ、ビジネストレンドや業界情報の把握、リーダーシップ・コーチングなどです。
この要約を友達にオススメする

一緒に読まれている要約

教え学ぶ技術
教え学ぶ技術
苅谷剛彦 石澤麻子
未 読
リンク
ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと
ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと
小山田育 渡邊デルーカ瞳
未 読
リンク
未来の地図帳
未来の地図帳
河合雅司
未 読
リンク
会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン
会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン
川野泰周
未 読
リンク
トイレは世界を救う
トイレは世界を救う
ジャック・シム 近藤奈香(訳)
未 読
リンク
オリジン・ストーリー
オリジン・ストーリー
柴田裕之(訳) デイヴィッド・クリスチャン
未 読
リンク
僕たちはヒーローになれなかった。
僕たちはヒーローになれなかった。
葉田甲太
未 読
リンク
在野研究ビギナーズ
在野研究ビギナーズ
荒木雄太(編著)
未 読
リンク

今週の要約ランキング

1
昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です
昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です
井上皓史
未 読
リンク
2
筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」
筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」
高松康平
未 読
リンク
3
2020年6月30日にまたここで会おう
2020年6月30日にまたここで会おう
瀧本哲史
未 読
リンク

イチオシの本

出版社のイチオシ#034
出版社のイチオシ#034
2020.07.10 update
リンク
読書がもっと好きになる3冊
読書がもっと好きになる3冊
2020.07.07 update
リンク
要約の達人が選ぶ、今月のイチオシ! (2020年7月号)
要約の達人が選ぶ、今月のイチオシ! (2020年7月号)
2020.07.01 update
リンク
未来屋書店“フライヤー棚”で売れた今月のベスト3(2020年5~6月)
未来屋書店“フライヤー棚”で売れた今月のベスト3(2020年5~6月)
2020.06.26 update
リンク

インタビュー

【対談】人生の主導権を取り戻すカギは「早寝」にある
【対談】人生の主導権を取り戻すカギは「早寝」にある
2020.06.30 update
リンク
テレワークで欠かせない「コミュニケーション」の秘訣とは?
テレワークで欠かせない「コミュニケーション」の秘訣とは?
2020.06.29 update
リンク
リモートワーク時代の「風呂敷畳み人」の流儀とは?
リモートワーク時代の「風呂敷畳み人」の流儀とは?
2020.05.15 update
リンク
荻窪の本屋Titleが選ぶのは「人間の幅を広げてくれる本」
【これからの本屋さん】 荻窪の本屋Titleが選ぶのは「人間の幅を広げてくれる本」
2020.05.05 update
リンク
1
昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です
昨日も22時に寝たので僕の人生は無敵です
井上皓史
未 読
リンク
2
筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」
筋の良い仮説を生む問題解決の「地図」と「武器」
高松康平
未 読
リンク
3
2020年6月30日にまたここで会おう
2020年6月30日にまたここで会おう
瀧本哲史
未 読
リンク
オヤジが教えてくれるビジネスの極意『苦労して成功した中小企業のオヤジが新人のボクに教えてくれた 「上に立つ人」の仕事のルール』
オヤジが教えてくれるビジネスの極意『苦労して成功した中小企業のオヤジが新人のボクに教えてくれた 「上に立つ人」の仕事のルール』
2018.01.05 update
リンク
混迷の時代にMBAを学ぶ意義、ドラッカーを学ぶ意義とは?
混迷の時代にMBAを学ぶ意義、ドラッカーを学ぶ意義とは?
2016.01.21 update
リンク

この要約をおすすめする

さんに『ザ・メンタルモデル』をおすすめする

保存が完了しました

保存した「学びメモ」はそのままSNSでシェアすることもできます。
新機能「学びメモ」誕生!
要約での「学び」や「気づき」をシェア! アウトプットの習慣づけに役立ちます。
みんなのメモが見れる!
新しい視点で学びがさらに深く!
「なるほど」「クリップ」ができる!
みんなの学びメモにリアクションしたり、保存したりできます。
ガイドライン
「学びメモ」をみなさんに気持ちよくご利用いただくために、ガイドラインを策定しました。ご確認ください。
「学びメモ」には自分自身の学び・気づきを記録してください。
要約や書籍の内容を読まずに「学びメモ」を利用することはご遠慮ください。
要約や書籍に対しての批評や評点をつける行為はご遠慮ください。
全文を見る
新しい読書体験を
お楽しみください!
ご利用には学びメモに記載されるユーザー名などの設定が必要です。
ユーザー名・ID登録(1/3)
ユーザー名 ※フライヤーでの表示名
ユーザーID
※他のユーザーが検索するために利用するIDです。
アカウントの公開や検索設定は次の画面で設定できます。ご安心ください。
後で登録する
ユーザー名・ID登録(2/3)
アカウント公開
すべてのユーザーにマイページを公開しますか?
はい 許可した人だけ
マイページを全体に公開したくない方は「許可した人だけ」を選択して、次ページにお進みください。

※登録内容の編集画面からいつでも変更できます
ユーザー名・ID登録(3/3)
検索設定
ID検索を有効にしますか?
はい いいえ
友達と繋がるには、ID検索を有効にしてください。マイページを全く公開したくない方は「いいえ」を選択してください。

※登録内容の編集画面からいつでも変更できます
登録完了しました!
まずは他のユーザーをフォローして学びメモをチェックしてみよう!
flierの利用に戻る