人前で「あがらない人」と「あがる人」の習慣

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人前で「あがらない人」と「あがる人」の習慣
出版社
明日香出版社

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出版日
2017年10月17日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

あがり症であっても、人前で話す機会を完全に避けるのは難しい。仕事でのプレゼンや冠婚葬祭でのスピーチをはじめ、町内会やPTAなど、さまざまな場面で「お願いします」と言われるものだ。何かと理由をつけて人前で話すことを避けようとしても、完全にゼロにすることは不可能である。

だとしたら、逃げることを辞めて本書を一読し、あがり症克服への第一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。本書の著者はかつて、人前で話さずに済むよう、仕事を辞めることまで考えたほどだったという。だがその後あがり症を克服し、今では一般社団法人あがり症克服協会の代表理事として年間200回以上の講演を行っている。

本書を読んでわかったのは、あがり症は、逃げている限りは絶対に良くならないということだ。逆に言うと、真摯に向き合って努力することで、克服への道が開けると感じた。

本書では、「あがり」のとらえ方からスピーチ・プレゼンの準備、話し方、聞き方、日常的な過ごし方まで、さまざまなアドバイスが示されている。どれも「元・あがり症」の著者らしく、当事者に寄り添うように語りかけてくれているのが特徴だ。

あがり症の克服には、気持ちを前向きにすることや運動習慣をつけること、背筋を伸ばすことなどが効果的だと著者はいう。本書で紹介される習慣は、あがり症の克服のみならず、人生を豊かにすることにもつながるはずだ。

ライター画像
香川大輔

著者

鳥谷朝代(とりたに あさよ)
一般社団法人あがり症克服協会 代表理事
株式会社スピーチ塾 代表取締役
心理カウンセラー
NHKカルチャー、朝日カルチャー、よみうりカルチャー等話し方講師

中学1年の国語の教科書読みで手と声が震えだしたことであがりを自覚、それ以来、リコーダーを持つ手が震える、歌のテストで声が出ない、本読みが当たるとわかっているときは仮病を使って保健室に逃げ込むようになる。
名古屋市職員となった以降も症状は悪化。たった数行の資料の読み上げで声が震える、お客様へのお茶出し時には手が震えて出せなくなる等を繰り返し、やがて会議での進行や発言がある日は欠勤・休職するようになる。
職場にも家族にも言えず、精神内科を受診し催眠療法を試みたものの効果はなく、役所を辞める覚悟をしていた頃に話し方講座と出会い、17年間のあがり症を克服。
話し方講座で多くのあがり症の方と接するうち、かつての自分のように人知れずあがり症で苦しむ人の助けになりたいと思うようになり、14年勤めた市役所を退職、2004年「あがり症・話しベタさんのためのスピーチ塾®」を開校。
メンタルだけでなく体から誰でも楽にあがりを改善する方法を確立し、アナウンサーやモデル、芸人、議員、弁護士、経営者から学生、主婦まで広く指導。克服へ導いた受講生は73,000人を超える。
2014年、全国初の元あがり症によるあがり症のための協会「一般社団法人あがり症克服協会」を非営利団体として発足、理事長に就任。全国各地のカルチャースクール、学校、団体で年間200回以上の講演活動を行う。
「あさイチ」「ごごナマ」「ZIP!」「まる得マガジン」などテレビ出演も多数。オードリー若林さん、トレンディエンジェル斎藤さんの人見知り克服、カラテカ矢部さんのあがり症克服指導も行う。

著書に『1分のスピーチでも、30分のプレゼンでも、人前であがらずに話せる方法』(大和書房)、『やさしくあがりを治す本』(すばる舎)、『人前であがらないスピーチ術』(NHK出版)などがある。

一般社団法人あがり症克服協会 公式サイト http://agarishow.or.jp/

本書の要点

  • 要点
    1
    あがり症を認めることが、克服へのスタートラインとなる。
  • 要点
    2
    本番5分前には、手足をゆるめよう。手首と足首を回したり、手をグーパーしたり、ひざ下をブラブラさせたりすると、手足の震え防止になる。
  • 要点
    3
    聴衆のことをファンだと思うようにしよう。一人ひとりを尊重し、聞き手に感謝する気持ちを持って、ファンサービスするつもりで話すとよい。

要約

「あがり」のとらえ方

緊張を悩まない

あがらない人は、緊張を悩まない。あがる人は、緊張を嫌う。

著者自身、17年間、あがり症であることを隠していた。だが、緊張を隠そうとすればするほど、より緊張するようになるものだ。

あがらなくなるためには、緊張を受け入れて、うまく付き合おうとする姿勢が大切だ。緊張する自分を認め、受け入れてはじめて、あがり症克服へのスタートラインに立てる。

「誰もが緊張する」と思う

あがらない人は、「誰もが緊張する」と思う。あがる人は、「自分はフツウじゃない」と思い込む。

そもそも私たちは大勢の前でうまく話せなくて当然だ。学校で話し方を習っていないし、人前で話すのは「非日常」なのだから。

実際、著者が100人以上の経営者の前で講演する際、「人前で緊張しますか?」と尋ねると、100人中95人は「緊張する」派だ。あなたも「自分だけが緊張する」という思い込みを手放そう。

空気を読まない
SolStock/gettyimages

あがらない人は、空気を読まない。あがる人は、感受性が豊かで想像力がある。

人前で話すときにまったくあがらない人は、周囲の状況や評価に左右されない、強い心臓を持った人だ。あがる人は感受性が豊かで想像力があり、真面目だからこそ、人目を気にして緊張してしまう。

「失敗したくない」「恥をかきたくない」と思えば思うほど、身体が硬直し、思うように話せなくなるものだ。時には空気を読まず、周囲の評価を気にしないで、ありのままの自分で臨んでみてほしい。

人前に出るのを名誉だと思う

もしあなたが披露宴での来賓祝辞を依頼されたら、どう感じるだろうか。「あがっちゃうだろうな」「失敗して恥をかいたらどうしよう」などと考えるかもしれない。著者も15年前までは「人前に出るのは恥で情けないこと」と考えるタイプだった。

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要約公開日 2022.11.16
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