鬼時短の表紙

鬼時短

電通で「残業60%減、成果はアップ」を実現した8鉄則


本書の要点

  • 時短プロジェクトで経営層が意識すべきなのは、「社長が私欲を訴えなければ、社員に届かない」という点である。

  • 現場を動かす際には、社長が「現場の主」と真剣に向き合い、納得を得ることが重要となる。

  • 時短プロジェクトを進める際は、業務を工程単位に分解し、どの業務にどれだけの時間がかかっているかを徹底把握する。現場の「すべて」を肯定しようという姿勢が必要だ。

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時短の真の意義と8つの鉄則

時短とは「ワークファスティング」である

Kana Design Image/gettyimages

著者が全ての企業に提案するのは「ワークファスティング(=時短)」である。ファスティングとは断食を意味する。著者は自身の経験から、痩身効果や健康管理の効果だけではなく、「挑戦して、やり遂げた自分を好きになれる」点にこそ断食の魅力を見出している。企業も、時短プロジェクトを通して成功体験を得ることで、組織文化を変えることができる。労働時間の削減は、KGIやKPIといった定量的な指標で評価することができ、経営陣だけでなく社員もその達成を実感できるからだ。つまり、時短とは業務時間の短縮にとどまらず、自信に満ちた社員を増やし、挑戦の風土を育てる取り組みなのである。著者は時短だけでなく、多様な「社内改革プロジェクト」を成功に導く鉄則を8つにまとめた。鉄則1 社長は「私欲」で訴えなければ伝わらない鉄則2 現場が抵抗する「本当の理由」を理解しよう鉄則3 現場の主は社長が自分で口説かなくてはいけない鉄則4 現場の「すべて」を肯定しよう鉄則5 トラブル処理は「すべて」「自分」で引き受ける覚悟をもつ鉄則6 改革の「本質的価値」を語ってはいけない鉄則7 「結果」で納得を得るしかない鉄則8 「内部統制」という言い訳を封じよう要約では、これらの鉄則を念頭に、改革を成功に導くための具体的な処方箋の一部を紹介する。

社長は「私欲」で訴えよう

時短プロジェクトで経営層が意識すべきなのは、「社長が私欲を訴えなければ、社員に届かない」という点である。経営者が日常的に発信する内容は、どうしても形式的で画一的になりがちだ。それでは、現場は「建前」「やってる感を出している」としか受け取らない。現場に心から納得してもらうためには、時短が「これだけは必ず実現したい、心の底からの欲求」に基づいたテーマであることを伝えなければならない。

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要約公開日 2025.01.21
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