健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないことの表紙

健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと


本書の要点

  • 特定健診(メタボ健診)の結果の項目をバラバラに見るのは「正しい見方」ではない。健康状態と「血管の状態」は比例する。血管が痛むと動脈硬化を起こし、脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病合併症などを起こす可能性が高くなる。健診では自分の「血管の状態」を知ることが重要だ。

  • 働き盛りでいきなり倒れる人は、特定の数値が悪いというより、「ちょっと悪い」項目が複数あるケースが多い。

  • 健診結果が悪くても自覚症状はない。具合が悪くなったときは「すでに重症」なのだ。

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【必読ポイント!】「結果の項目」をバラバラに見てはいけない

なぜ「メタボ健診」を受けなければならないのか

「血圧高いわ。最近は悪玉コレステロールも増えてきたし」「血糖値はそれほどでもないけど、中性脂肪がなあ」。健康診断の受診後、このように「1つ1つの値」を見て一喜一憂していないだろうか。だが本来、診断結果をバラバラに見て終わりにするのは、正しい見方とは言えない。また40歳を超えると、「特定健診(メタボ健診)」を受ける必要がある。メタボ健診の目的は、心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞など心臓や血管の病気)の重症化や、糖尿病の合併症を防ぐことだ。そのためメタボ健診の結果は項目別に見るのではなく、「血管の状態がどうなっているか」を知ることがポイントとなる。結果を見れば、血管の状態を推測できるからだ。「人は血管から老化する」という言葉があるが、血管の状態はその人の健康状態を表している。血管が痛むと血管の壁が硬くなったり動脈硬化になったりして、心筋梗塞など危険な病気を引き起こすリスクが格段に高まる。

健診結果から「血管の状態」を推測する方法

P.23 より引用(日経BP 提供)

健康診断の結果から血管の状態を推測するにはどうすればいいか。血管の傷みは、次の5つの段階を踏んで進行していく。健診で異常値が出た項目をチェックするだけで、自分の血管がどのくらい傷んでいるかがわかるのだ。(1)潜在的に進行する段階:BMI、腹囲、中性脂肪、肝機能(AST、ALT、γ―GTP)(2)血管が傷み始める段階:血圧、血糖・HbA1c、LDLコレステロール、尿酸(3)血管が変化する段階:腎機能(尿たんぱく、クレアチニン、eGFR)、心電図(虚血性変化)、眼底検査(血管変化)(4)健康障害(5)要介護状態・障害血管の傷みが深刻化して「健康障害」の段階になると、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、狭心症、糖尿病合併症、慢性腎不全になる危険性が高まる。さらに進むと、認知症や寝たきり状態、失明、心不全といった「要介護状態」に陥ってしまう。

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要約公開日 2025.01.29
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