ブラックボックスを解き放て
人手不足と無縁のSHIFT
元パティシェ、スーパーの店長、自動車教習所の教員、スポーツジムのインストラクター、宮大工、警察官、俳優、さらには大手ITサービス企業の社長。SHIFTの最大の特徴は、社員の多様性にある。過去の仕事がバラバラのため、経験も性格も能力もバラバラだ。そんな多様な人々を集めて、SHIFTは成長街道まっしぐらに進んできた。25年8月期の連結決算は、現グロース市場に上場した2014年と比較すると、売上高は60倍、営業利益は126倍にまで拡大。富士通やNEC、アクセンチュアといった競合の背中はまだ遠いものの、その存在感は急激に高まっている。
人手不足に苦しむIT業界で、SHIFTは人手不足とは無縁でいる。それは多種多様な人材の大きなプールを抱えているからだ。だが、彼らは決して烏合の衆にはならない。実のところ、SHIFTの人材の見極めにはシビアだ。
2つのブラックボックス

ソフトウェアのテストという「下流」の領域で、なぜSHIFTは成長できたのか。背景には2つのブラックボックスがある。
1つはテスト業務そのものだ。ソフトやウェブサービスのトラブルを防ぐ重要業務にもかかわらず、効率的な手法が確立されていなかった。SHIFT創業2年目に、丹下大社長は、これを効率化できれば巨大な価値が出せると踏み、テスト業務の受託をはじめて、独自のテストツールCATを開発した。
2つ目のブラックボックスは人材だ。




















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