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ニッポン華僑100万人時代の表紙

ニッポン華僑100万人時代

新中国勢力の台頭で激変する社会


本書の要点

  • 安倍政権下の制度改正によって、日本は一定の条件をクリアすれば永住権の取得を目指せる「移民国家」となった。増加しつづける在留中国人の数は、2026年には100万人を超える見込みだ。

  • 日本に留学後、そのまま就職して数年経てば、容易に高度外国人材に認定され、永住権取得に近づく。また、日本の旅館や不動産を買収して「経営・管理ビザ」を取得することも、永住権取得の近道となっている。

  • 高田馬場、池袋、川口、上野、西成など、日本国内のさまざまな場所に「内なる中国」と呼べる新しい「中国経済圏」とコミュニティが生まれている。

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【必読ポイント!】 なぜ中国人が日本に移住しやすくなったのか

「普通の中国人」の増加

chris-mueller/gettyimages

2023年10月、台湾での駐在生活を終えた著者は、東京の通勤電車に乗ったとき、大きな驚きを感じた。それは、明らかに観光客でもなく、富裕層でもない、ごく普通の中国人家族が複数いて、会話の内容から日本に住んでいることがわかったからだ。「どんな入国ビザで日本に入ってきているのか」。日本はいつから普通の中国人でも移り住める国になったのか。その事情を調べるために、取材班を立ち上げた。

欧米の先進国が移民への締め付けを強化するなか、日本は年間30万人超もの外国人移住者を受け入れる「移民国家」となり、「第2の開国」ともいえる道を進んでいる。2018年11月に当時の安倍政権が、外国人労働者の受け入れを拡大する「出入国管理法改正案」を閣議決定した。翌年、新たな在留資格である「特定技能」を導入して、家族の帯同や永住を認め、一般の外国人が一定の条件さえクリアすれば永住権の取得を目指せる、「世界でも珍しい国」になった。

特に、中国人の移住者と永住権取得者の増加が顕著だ。日本に住む在留中国人「ニッポン華僑」は、早ければ2026年に、100万人を突破する。日本社会ではその存在感がさらに大きくなり、日本企業でも上司が中国人になったり、マンションのオーナーが中国人に代わって突然値上げを迫られたりするような可能性もあるだろう。

これまで移民を多く受け入れてきた欧米諸国では、移民排斥運動が活発になり、大きな政治課題になっている。日本も、対岸の火事として傍観してはいられない。すでに外国人との「摩擦」は起き始めている。しかし、そもそも日本では、移民について議論する際に必要となる情報と材料が不足している。特に、在留中国人の情報は非常に少ない。在留中国人が、なぜ日本に移住し、長期で住もうとしているのか、どのように暮らし、何を思って、日本社会にどのような影響を与えているのか。日本の中で広がる「中国」を可視化し、冷静に分析することで、日本に不足している情報と材料を補う必要がある。

永住権取得のための留学

最近、中国の若者の間で、日本の美大の人気が高まっているという。日本全国の美大では、各校の全留学生の7割程度、数百人単位の中国人留学生を迎え入れている。

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要約公開日 2025.12.28
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