保険業界の素朴な疑問 その成り立ちや生保・損保の違いまで
保険は「冒険」から始まった?
世界史の中で最初の保険は「海上保険」である。これは損害保険の1つで、船の沈没などの海上でのリスクへの備えとして生まれた。リスクをみんなで負担するという保険的な考え方自体は古代ギリシア時代にすでにあり、嵐や海賊などの予期せぬ危険で積み荷を失った際は、その損害を荷主と船主で分担していた。地中海での貿易が盛んになる中世ヨーロッパで「冒険貸借」という取引が行われていた。これは船主が資金提供者からお金を借りて航海し、無事に航海が終了したら利息を付けて資金を返すが、航海に失敗すれば返さなくてもいいという条件付きの金銭貸借取引だった。
その後13世紀になり、当時のローマ教皇によって利息を取ることが禁止されると、今度は事前に一定の金額を支払えば海上輸送のリスクを負担してもらえる「海上保険」が生まれた。
次に誕生した「火災保険」には、イギリス発祥のものとドイツ発祥のものがある。イギリスでは1666年に、市街の約8割が消失した「ロンドン大火」が発生した。そこで海上保険をヒントに、民間の火災保険が生まれている。ドイツにおいても、火災に対する同業者の相互扶助組織をもとに、公営の火災保険組織が設立された。
生命保険と損害保険の違いを端的に言うと?

「保険はよくわからない」と感じている人は、まずは生命保険と損害保険の違いを知るところから始めよう。一言で言えば、人の生死に関わるリスクが生命保険で、それ以外が損害保険だ。生命保険が対象にするリスクには、①自分が死んで遺族が経済的に困るリスクと、②自分が長生きして経済的に困るリスクがある。
一方、損害保険が対象としているリスクは多岐にわたり、住居や自動車・自転車の運転、他人の物を壊した場合なども含まれる。個人向けだけではなく、工場・店舗にかけるような企業向けの損害保険もある。




















