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本書の要点

  • 「ピック・スリー」とは「仕事」「睡眠」「家族」「運動」「友人」の5つのカテゴリーから、その日に注力するものを3つだけ選び、それに集中する方法だ。

  • 著者は5つのカテゴリーについて、5つのペルソナごとに、その特徴とピック・スリーの達人の具体例、ピック・スリーをうまく行うためのアドバイスを紹介している。

  • 自分に近いペルソナを理解し、それに合わせて日々ピック・スリーを続けてみよう。「アンバランス」に生きることで、長期的には自分らしくバランスのとれた幸福な人生を送れるようになる。

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【必読ポイント!】 ピック・スリーとは何か?

1日、3つだけ。アンバランスのすすめ

OksanaGoleva/gettyimages

1日のうちに「あれができなかった」などと罪悪感を抱くのは、同時に「ぜんぶやろう」として、自分の首をしめているときだ。バランスをとろうとすると、結局失敗する。アンバランスであることによって実現できる「とがった個性」「おもしろいこと」が、遠のいてしまうからだ。

著者は、1日のうちにぜんぶやろうとするのをやめようと呼びかける。人生でとくに大事だと考えたタスク、すなわち仕事、睡眠、家族、運動、友人に注目し、そこから毎日「3つだけ」を選ぶ。そうすれば、自分で選んだタスクに十分集中して取り組め、達成感や幸福感を得られるようになる。さらには、毎日異なる3つを選んで「アンバランス」を続けていけば、長い目で見ると人生のバランスがとれていくのだ。

5つのカテゴリー

著者の提案する5つのカテゴリーとは、「仕事」「睡眠」「家族」「運動」「友人」だ。

「仕事」は、自分の時間を差し出し、その見返りになんらかの価値を得ること。「睡眠」は体を休めて寝ること。「家族」は、家族を優先する時間のことで、血縁にこだわる必要はなく、どんな形の家族も対象となる。「運動」は、体を動かすことだけでなく、自分をいたわること、心身の調子を整えることも含む。「友人」は、つきあいの深い友人との時間だけでなく、仕事と家族以外で喜びをもたらしてくれる活動、趣味なども含む。

大事なのは、アンバランスになった分はどこかで取り戻せばよいという発想である。ピック・スリーを繰り返していけば、自分にとってベストな選び方が自然とわかってくるはずだ。

5つのペルソナ

アンバランスになりたいものは、必ずしも自分で自由に選べるわけではない。キャリアの段階や家計の状況など、外的要因によって制約を受けてしまう。本書では、人によって異なる状況や環境に応じた行動パターンについて、次の5つの「ペルソナ(人格)」に投影している。

「パッショニスタ(情熱家)」は、自分のためにアンバランスになる対象を選べる人。

「エリミネーター(排除する人)」は、したいことより、したくないことに敏感で、排除することで「アンバランス」をめざしていく人。

「リノベーター(改革者)」は、大きな障害にぶつかって方向転換することで、目標を達成する人。

「スーパーヒーロー(支える人)」は、経済的事情など、本人の意向ではない要因で急にアンバランスな人生を歩むことになった人。

「マネタイザー(稼ぐ人)」は、5つのカテゴリーに対して、人間の基本的なニーズを満たす製品やサービスを提供し、そこから利益を得る人を指す。

5つのカテゴリーに対して、あなたはどのペルソナに近いだろうか。ピック・スリーの達人たちの事例を通して、自分にマッチする「アンバランスな生き方」のヒントを得ていってほしい。本要約では5つのカテゴリーのうち、「仕事」「睡眠」「友人」の3つのカテゴリーを取り上げる。

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仕事をピック!

仕事のパッショニスタ

Morsa Images/gettyimages

「キャリア・オリエンテッド(仕事優先)」になることには、なんの問題もない。ただし、仕事に集中していても、余力をもつことは大切だ。各ペルソナのイメージが湧きやすいよう、「仕事」のカテゴリーではピック・スリーの達人の具体例も紹介しておきたい。

まず、「仕事のパッショニスタ」は自分のために仕事を優先している人たちだ。かれらは自ら大きなチャンスをつかみやすい。このタイプに属するのが、ヒラリー・クリントン事務所の上級職として、2016年の大統領選を共に闘ったメリンダ・アーロンズだ。彼女は、それまでの仕事の成功を投げ打ってでも、それに本当に犠牲を払う価値があると信じて邁進していた。

ただし、仕事のパッショニスタは、つい無理をして燃え尽きる傾向がある。週に一日は「仕事」を選ばない日を設けるようにしたい。そのうえで、キャリアで一段高いレベルをめざすには何が有効なのか。それは、自分の専門分野で第一人者をめざすこと、プレゼンの達人になること、そして上手に人に任せることなどである。

仕事のエリミネーター

「仕事のエリミネーター」は、引退や家族の世話などを理由に、仕事をあえて選んでいない人たちである。それは小休止ではなく、長期にわたる。著者の母親カレン・ザッカーバーグは、精神科医として働く道を捨て、家族を第一に考える専業主婦となった。その結果は子どもの現在の活躍にも現れている。カレンに後悔がないわけではない。けれども、この人生を選んだことに満足しているという。

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要約公開日 2020.02.28
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