人生は見切り発車でうまくいく

完成度30%で結果を出す!スピード仕事術
未読
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人生は見切り発車でうまくいく
出版社
総合法令出版
出版日
2014年06月21日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

奥田浩美氏は常に一番新しい世界を見ている。バブル期の日本で活発化していた国際会議の運営に携わり、その後ITに特化したイベントサポート事業を起業。以降、名だたるIT企業の本邦初のコンファレンスの運営を次々に手がけてきた。これが彼女がIT業界の「女帝」と呼ばれるゆえんである。

一娘の出産、子育てを経て、現在は3社目の起業を果たし、ITで地域の課題を解決するためのビジネスを走らせている。わが子の将来がより良いものになるようにという願いから、女性の労働や企業を応援するコミュニティを主宰し、IT関連会社の起業も支援しているという。

本書は、若い人たちへ贈る励ましの書だ。あたたかい心、広く世界を良くしたいという心でビジネスを行っている奥田氏のアドバイスは、優しく、力強い。現代社会のスピードにたじろぎ、なかなか動けずにいる人へ、軽やかに走りだすためのことばをくれる。

「見切り発車」こそ、目標を達成するうえで最もスピーディーで有効な方法だと奥田氏は語る。「完璧を目指すより、まず動くものを」と、IT系ベンチャー企業の聖地、米国シリコンバレーでは言われるそうだ。完璧な計画を練り上げてから行動するより、何割か準備ができたところで発進するほうが、圧倒的に早く目標を達成できるという。

本書は6章で構成されており、見切り発車」の知恵が、1~4章と6章で語られる。5章には、「見切り発車」的にスピーディーに活動して結果を出している、5人の事例が紹介されている。要約では1~4章のものを中心に紹介した。

ライター画像
熊倉沙希子

著者

奥田 浩美
株式会社ウィズグループ代表取締役。株式会社たからのやま代表取締役。
鹿児島県生まれ。インド国立ムンバイ大学大学院社会福祉課程修了。
1989年、国際会議の企画運営会社に入社。当初は政府機関系の情報技術系国際会議に携わり、あらゆるIT分野の先進技術会議をサポート。
1991年、ITに特化したイベントサポート事業を設立し、ITイベントの日本への上陸を支える。主にMac WorldやWindows world、Interop、Google Developer Dayといった大型プライベートショーの事務局として、運営に携わる。
2001年、株式会社ウィズグループを設立。引き続きIT系大規模コンファレンスの事務局統括・コンテスト企画などを行う。
2012年、伝えながら行動を促すメディア「fin.der.jp」を立ち上げ、地域のIT活用事例を紹介するとともに、IT活用促進プログラムを提供・創業支援などを行う。
2013年には株式会社たからのやまを設立。徳島県の限界集落に高齢者のタブレット使用のサポートを行う拠点を設け、高齢者との共同製品開発事業を開始。
2014年より、情報処理推進機構(IPA)の未踏IT人材発掘・育成事業の審査委員を務め、若い世代の新たなチャレンジを支援している。
世界展開されている「Startup Digest」の初代東京キュレータ、APECを機に発足させた女性起業家コミュニティ「Spark!」主宰。広瀬香美氏のIT戦略の仕掛け人としても知られている。
これまでに携わったITイベントの数は300以上。のべ動員数は10万人以上。数億円規模のイベントをいくつも成功に導いてきた実績からIT業界では「女帝」と呼ばれている。

本書の要点

  • 要点
    1
    行動することで視野もチャンスも広がる。どんどん動こう。スピードを上げていくために、準備が万全でないうちから動こう。行動しながら修正し、バージョンアップしていけばいい。
  • 要点
    2
    スピーディーに行動するためには、決断のスピードを上げること、自分で決めていく覚悟で仕事をすることが効果的だ。
  • 要点
    3
    壁にぶつかったときにも、色々な乗り越え方がある。人を頼ろう。困難を楽しめるようになろう。
  • 要点
    4
    強い想いを周囲に伝え、チャンスを惜しまず人に与え、感謝することで、仲間が増えてチームの絆は強くなっていく。

要約

【必読ポイント!】結果を出す人の「見切り発車」とは

チャレンジすればするほど、人生は面白くなる
Apatsara/iStock/Thinkstock

新しい視点とチャンスは、行動すればするほど見つかる。

「運がいい」といわれている人は、たくさん行動しているから、そのぶん幸運が舞い込んでくるということなのだ。

行動するうえでは、あえて「レールをはずれる」という覚悟も大切だ。思い切って外れることで、新しい可能性を見つけることができる。

奥田氏の場合、国内の大学を卒業後、教師になってほしいという親の期待に背き、インドの大学院へ留学したことは、レールをはずれてよかったことの一つだと回想する。異なる価値観のシャワーを浴び、資産家の元マハラジャと話したり、売春婦として売られてきた女の子たちを更生するプログラムに関わったりすることで、いろいろな考え方をできるようになった。

海外に行かなくても、体験したことのない文化や人に触れることで、新しい視点やチャンスが広がっていくだろう。行動せずに、ずっと頭の中で考えているだけでは、何も変わらない。

「かっこいい」と思えることを一番にやろう

「動け」と言われても、何をしたらいいかわからない……そんなときにおすすめなのが、「自分がかっこいいと思うこと」を考えてみることだ。

仕事で行動するか否か迷ったとき、奥田氏はそれが「かっこいいかどうか」で決めている。仕事でも人生でも、「かっこいいと思うこと」はつまり、「自分が一番やりたいこと」で、その中にこそ自分の真意が隠れているのではないだろうか。

たとえば自動車の営業をしている人であれば、「月10台売ったらかっこいい」、商品企画の仕事をしている人なら「新商品を開発して、1億売上をつくったらかっこいい」などなんでもかまわない。まずは、どんな人が「自分にとってかっこいい大人」で、どうしたらそうなれるのか、考えてみてはどうだろう。

「かっこよくなるためだったら、○○だけならできるかも」と、少しずつ、一つずつ、前向きに実行していけばいい。自分でかっこいいと思えることができたら、とてもうれしいし、きっと自信になる。

また、その中で失敗することはかっこ悪いことではない。失敗を大前提に、かっこいい順にトライアンドエラーをして経験を積んでいけば良いのだ。必ずみんなどこかで失敗しているし、失敗から修正すべき箇所が見つかるのだから。

動く「前」より動いた「後」が大事
Iamnee/iStock/Thinkstock

重要なことはしっかりと考え、練ってから動くべき、と考える人もいるかもしれない。けれど、重要なことであればあるほど、じっと考えず、具体的に行動して検証していったほうがスピーディーに解決するケースが多い。

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要約公開日 2014.07.18
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