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人事の仕事を見つめなおす
今の人事を取り巻く困難な環境
現代の日本はインターネットの誕生以後、産業が多様化し、共通して効果を発揮するモデルや手法が存在しにくくなっている。たとえば、成果主義人事制度やジョブ型は、期待した効果が出ず、過去の制度に回帰するケースも多い。
また、日本の人事部が行った「人事パーソン全国実態調査2022」によると、人事の仕事の特徴として「新規課題沼」「エンドレスワーク」「社内ぼっち」が上位に挙がっている。しかも、人事の人員体制は現状のまま横ばいの企業が最多だ。
実際のところ、人事は活躍しづらい構造にある。具体的には(1)成果を上げにくい環境、(2)人事のプロ・専門家が育ちにくい環境に置かれている。(1)の背景には、成果を出すための変数が劇的に増えたことが挙げられる。また(2)に関しては、業務をこなすことに手いっぱいなケースや、さらなる専門性を磨くことを求められていないケースが考えられる。こうした環境では成果を上げにくく、経営からの信頼がなかなか得られないことから、自信を失ってしまいやすい。しかも、経営陣や現場からは人事の実態が見えず、人事は孤独を感じがちである。




















