本書の要点

  • 人材ビジネスの代表的な4事業として、労働者派遣事業、職業紹介事業、特定募集情報等提供事業、請負事業がある。

  • 日本の高齢化が進んだことで、人材派遣業界でも高齢派遣労働者が増加している。派遣労働者の平均年齢は45.7歳で、全体の約70%を40~50代が占める状況だ。

  • 人手不足が深刻化して外国人の労働制度が緩和されつつある中、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員が同じ職場で快適に過ごせるよう、事業者側の工夫が必要だ。

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ライフステージから学ぶ人材ビジネスの世界

ライフステージと働き方

lielos/gettyimages

私たちは生きていく中で、就職、結婚、出産、転職などの転機を迎え、そのたびに別のライフステージに立つ。それぞれのライフステージでは、異なる「人材ビジネス」が伴走している。例えば大学生の場合は、学費などのためにアルバイトをする人が多いだろう。アルバイトの募集を掲載しているのは、仕事案件と求職者をマッチングする「職業紹介事業」という人材ビジネスだ。また、3年生になると多くの学生が就職活動のために新卒用求人サイトを利用する。求人サイトの運営者も人材ビジネスの一つで、「特定募集情報等提供事業」にあたる。30代半ば、子育てが落ち着いて、時短で働きたいと思った時には、「労働者派遣事業」を営む人材派遣会社に頼ることとなる。仕事内容・就業場所・就業時間・継続期間などの条件をもとに、希望に合った仕事を提案してもらえる仕組みだ。40代になり、引っ越しなどにより転職を余儀なくされた時に相談に乗ってくれるのも、人材ビジネスである「職業紹介事業」だ。50代になり、業界内でも名前が通るようになったころにヘッドハンティングのメールが届いたとしよう。これも「職業紹介事業」という人材ビジネスにあたる。定年を迎え、「地域社会に貢献したい」「健康で生きがいのある生活を送りたい」と思った時には、シルバー人材センターが仕事をアレンジしてくれる。これも人材ビジネスだ。以上のように、人材ビジネスはすべてのライフステージに伴走してくれているのだ。

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要約公開日 2025.01.03
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