たった1分で相手が虜になる世界標準の聞き方・話し方
たった1分で相手が虜になる世界標準の聞き方・話し方
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たった1分で相手が虜になる世界標準の聞き方・話し方
出版社
出版日
2025年06月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

たとえ話すことに苦手意識がない人でも、初対面の相手との雑談や、沈黙が続く1対1の面談、相手が延々と話し続ける場面など、会話の中には難しい局面が無数にあるものだ。そうした場面でも、無理なく相手の口を開かせるためのヒントを与えてくれるのが、本書である。

著者の斉藤真紀子氏は、丸紅米国会社、日本経済新聞米州総局の金融記者、『AERA』の専属記者を経て、現在はフリーのジャーナリストとして活躍する人物だ。十数カ国での取材経験があり、これまでインタビューしてきた人数は2000名超にも及ぶという。

そんな斉藤氏が本書で伝えるのは、どんな相手の心も開かせる「聞き方」と「話し方」だ。著者はプロとして、沈黙や間、相手のテンションといった非言語情報を察知し、それに合ったギア(=態度、声の出し方、相づち、話題の切り替え方など)を選ぶことによって、相手から「ここだけの話」を引き出してきた。本書の最大の魅力は、その高度な技術が丁寧に言語化され、ノウハウとして体系化されている点にある。その中で、レディー・ガガやキアヌ・リーヴス、渡辺謙氏、大前研一氏など、国内外の著名人を取材したエピソードがさりげなく紹介されており、読者を驚かせる。

プロのインタビュアーはもちろん、初対面の人とのコミュニケーションに苦手意識のある人や、部下との距離をうまく縮められず悩んでいる人にも、本書をおすすめしたい。聞く・話すという行為を通して、相手の心を開かせる力が身につくだろう。

著者

斉藤真紀子(さいとう まきこ)
兵庫県生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業、米ブランダイス大学院文化人類学・女性学修士課程修了。丸紅米国会社(ニューヨーク)、日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版『AERA』の専属記者を経て、フリーのジャーナリストに。アメリカ在住歴8年、欧州、北米、中南米、アジア十数カ国で、日本語と英語で取材。これまで、ヒュー・ジャックマン、レディー・ガガ、マイケル・ムーアといった国内外のVIPをはじめ、ウォール・ストリートのビジネスピープル、世界的経営者など2000名以上をインタビューする。金融、経済、ビジネス、社会、ジェンダー、エンターテインメント等、幅広い分野で新聞、雑誌およびウェブ媒体に記事を執筆している。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分の「好き」を伝えたり、相手の「好き」に興味を持ったりすることは、関係を深める絶好のきっかけになる。
  • 要点
    2
    雑談で仲良くなるには、相手が思わず質問したくなる「おにぎり」のような話題を手渡すのが有効だ。さりげなく話題を提示し、話した後はひと呼吸おいて相手の反応を待つことで、自然な会話のキャッチボールが生まれる。
  • 要点
    3
    手強い相手から本音を引き出すには、「観察」と「空気づくり」が鍵となる。相手の表情や反応を細かく読み取り、ギアを切り替えて話しやすい空気をつくることが大切だ。

要約

相手との距離を縮める「聞き方」

あえて「くだけた表現」をまぜる

初対面では、「相手に失礼がないように」と必要以上に言葉が丁寧になりがちである。だが、リスペクトを込めたつもりの言葉づかいが、かえって相手との距離を生んでしまうことがある。

では、どうすればよいか。ポイントはふたつある。

ひとつめは、「丁寧語を使いながらも、しっかり相手に近づく質問をする」ことだ。たとえば、あなたが営業パーソンで、目の前にエネルギーに満ちた社長がいるとする。そこで「忙しそうだけど、身体を鍛えたりしているのだろうか」と感じたなら、「ハードなスケジュールをこなされているので、体力も必要かと思いますが、休日に運動をされていますか?」と聞いてみる。「相手について聞く」「知りたい気持ちを示す」ことが、関係を深めるきっかけになるのだ。

ふたつめは、「『くだけた表現』をまぜて親しみを伝える」ことだ。たとえば、相手に何かをほめられたとき、「わあ、うれしい」と素直な感情を口にし、そのあとに「励みになります」と丁寧に添えてみよう。率直な感情表現が、相手との距離を縮めてくれるだろう。

「好き」の交換で関係を縮める
b-bee/gettyimages

自分の「好き」を伝えたり、相手の「好き」に関心を持ったりすることは、相手との関係を深めるきっかけになる。

たとえば、相手が「バターチキンカレーが好き」と言ったら、「どこで食べたのか」といった記憶をたどる質問をしてみるといい。料理の好みをきっかけに、ライフスタイルや価値観、こだわりまで見えてくることがある。

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要約公開日 2025.08.20
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