

疲労の視点からいうと、私たちの生活サイクルは次のように整理できる。
仕事や勉強、家事、介護、育児などの行動をする(1:活動)。これらの活動により、活動能力が低下し、疲れる(2:疲労)。疲れを感じたら休む(3:休養)。そして翌日、再び活動へ戻る――「活動→疲労→休養」という三角形のサイクルだ。
活動して疲労が進むにつれ、私たちの電池の残量は減少する。ハードワークだった日には、0%近くまで減ることもあるだろう。それが休養によって100%まで充電され、翌朝再び活動に戻れるなら、三角形のサイクルは健全に機能している。これが“正の三角形サイクル”だ。
ところが多くの人は、電池を十分に充電しないまま次の活動に入ってしまっている。結果として、どんどん疲労が積み重なる“負の三角形サイクル”にはまり込んでいく。

どうすれば私たちの電池をフル充電状態にもっていけるのだろうか。著者が研究する「休養学」では、つぎの活動に移る前に、疲労を打ち消す要素である「活力」を取り入れることを提案する。
つまり、仮に休養だけで50%程度しか充電できなくても、活力を加えることでフル充電に近づけていくイメージだ。そのとき、サイクルは三角形ではなく四角形となる。
活力を高めるには、あえて軽い負荷を自らに与えることが有効だ。
まずは、疲労をゼロに近づけるようしっかり休もう。そして、楽になったと感じたら、軽い負荷をかけてみる。その際の負荷は、「自分で決めた」「仕事と無関係」「挑戦によって成長を感じられる」「楽しむ余裕がある」という4つの条件を満たすものでなければならない。
さらに望ましいのは、肉体的負荷と精神的負荷の両方を取り入れることだ。肉体的負荷はウォーキング、ヨガ、ストレッチ、犬の散歩など、自分のペースでできる軽い運動が最適である。一方、精神的負荷は、少し難しい試験に挑戦したり、趣味の分野でコンテストに応募したりといった、ポジティブな負荷がよい。
このように、活力の増強を意識し、積極的かつ主体的に休む休み方を著者は「攻めの休養」と呼ぶ。これはだらだら過ごす「守りの休養」の対極にあるものだ。
四角形のサイクルは、活動から始まり、疲労し→休養して→活力をあげて→つぎの活動へ、という自然な流れで構成されている。
著者が勧めるのは、この順番を変え、4つ目の「活力」からスタートすることだ。つまり、仕事を終えた瞬間から、翌日に向けて活力を高めるモードへ切り替えるのだ。そうして充電されたバッテリーを、翌日の「活動」で使うイメージである。

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